今日君にサヨナラ≠
9
自分の気持ち?
「木村さんは何で別れ切り出したの?
彼氏の気持ちが知りたかったからでしょ?
彼氏の気持ち知ることできた?」
東山君の言葉でハッとする。
そうだ私はまだ…
「知らない…」
「じゃあまだ木村さんの物語は終わってないよ」
東山君は優しく微笑むと私の背中を押した。
私の、物語。
「ありがとう東山君」
私は彼にそう告げると屋上を出た。
「お前わかってて出て来なかっただろう」
東山は晴香の出ていったのを確かめると口を開いた。
「いいじゃん。
湊の友達だからほっとけなかったんだよ」
屋上のドアの上からキャラメル色の髪の男の子が降りてくる。
「話しならお前が聞いてやれば良かっただろ」
東山が言うと男の子は笑った。
「ほっとけなかったくせに」
「うるせぇ!
それより今日は何のようだよ」
「…何だっけ?」
「佐倉テメェふざけんなよ!!」
男の子の無気力な言葉に東山はキレていなくなった。
「佐倉君、帰ろっか」
「湊」
迎えにきた湊と一緒に佐倉も屋上を出た。
本当は最初から晴香のこと任せるために呼んだとは東山に言わなかった。
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