今日君にサヨナラ≠
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翔は忙しいからしょうがないってわかってたけど、心の奥ではずっと不安だった。
いつ愛想をつかされるか。
本当はウザがられてるのかもしれないって。
実際記念日も覚えてるのは私だけだったみたいだし『別れよう』って言ったらあっさり終わってしまった関係だけど。
「本気で好きだったんだ…」
一度でもいい、あなたの口から『好き』って言って欲しかった。
キスもハグもいらない。
ただその一言が欲しかっただけなの。
あなたの“好き”は
今どこにありますか…?
話している間じっと黙って東山君は聞いてくれた。
見た目だけでなく心も優しい人なのだろう。
全て話し終わると私は涙で視界が見えなくなっていた。
ぬぐってもぬぐっても止まらない。
やっとおさまったと思ったのに。
「木村さんは今未練たらたらで後悔してるんでしょ」
東山君の言葉に思考を回す。
「……うん」
自分からふったくせに今だに追いかけてる。
「その男に、ちゃんと自分の気持ち言った?」
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