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曲‐メロディー‐に魅せられて
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なんとなくわかっていた。



裕淮と亘の次は自分なのだと。



『取引をしよう』



だから。



『君が私の言うことを聞いてくれれば君の実家と君の周りにいる黒薔薇とは無関係の人間には手を出さない』



仕方なかったんだ。



『…わかった』



四年前のあの事件の全てを知っていたから、首を横に振ることなんてできなかった。



それが仲間を裏切る行為であったとしても。



『千尋君』



そう言って微笑む彼女を守りたかったから。



朝から委員の仕事をしに図書室に来ていたのだがもうそろそろHRが始まる時間だ。



千尋は手元にあった本を取り敢えず机に置く。



置いた瞬間、何故か嫌な予感がした。



ああ、とうとう来たのか。



「僕を、潰しに来たの?」



振り返って気配の先を見ると予想外の人物がいた。



金髪に、翡翠の瞳の美少年。



四年前の戦争と同時に姿を眩ました男。



「白百合の総長、サガラ…?!」



何故この男がこの学校に?



いやそれよりサガラがここにいるということはやはりキョウは四年前の関係者なのだろう。





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