ONE PIECE
サンジ夢
悲恋
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サンジ君の馬鹿!!別れる!!そう言って船を飛び降りてから2日目。サンジ君以外の人達とは会ったけど、サンジ君とはあれ以来顔を合わせていない。(ナミにちゃんと了承貰ったよ?!…50ベリーで)だってさ、だってさ?
「私の前で…っドアホ!!」
彼女の私がいながら、彼の目は可愛い女の子にはいつもハート。ナミやロビンには妬かないけど、訪れる島々で買出しに行くたびに……っ隣に私がいるのに可愛い女の子にハートとばして…っ!!!!フられると、そんなクールな貴方も素敵!!とかワケ分かんないこと言って、すぐに違う子をさがす。しかも、声をかける女の子たちはみんな綺麗!!(やっぱり年下の私じゃ不満なのかな?)少し大人ぶって見過ごしてたけど……もう我慢の限界なんだからね!!!
この島は常夏の島。=ビキニのお姉さん!!だから、サンジ君は島に着いた途端船を降りてしまった。もう呆れて見送っちゃったし。見張り番をかって出て、船の上でぼーっとしてたら……サンジ君がふらーって帰ってきた。もしかして私を気にして…?なんて思ってたら、サンジ君の白いYシャツにうっすらキスマーク。さすがの私でも怒鳴ったよ。こんなに声が出るだなんて初めて知ったってくらい。ミニスカートにキャミだった私は、近くに落ちてたパーカーを羽織って船を飛び降りた。街の中に入るとナミと会って、訳を話して4日間この島に滞在したいって交渉。50ベリーと私の部屋にあるへそくりのお宝あげるって言ったら、ナミはあっさり承諾してくれた。近くの安いホテルに泊まった私はある決心をして、次の日に水着を買った。
「あっつ……」
男の視線が若干気になるけど、勇気を出せ!!!!
ナミのアドバイスで買った黒いビキニ。あんたは私には劣るけどナイスバディなんだから自信持ちなさい!ってゆー説得じみたことを言われ挑戦してみた黒ビキニ。何人か声をかけられたから、似合ってるってのは実証済みとなった。(ちょっとは自信持ってみよう)
「かわいー姉ちゃん♪かき氷でも食べるかい?」
「あっついねー。私、アイスクリームが食べたいかも…」
2人組の男に声をかけられ、ナミに教えてもらったとおりの台詞を吐く。
【いい?男に声をかけられたら、髪を両手でアップにしながらアイスクリームが食べたいかも、よ?!】
「///!!!!いいぜ、なんでも奢ってやるよ♪」
スルリと腰に手が触れて、ものすごく気持ち悪くなった。その男の手を避けるように数歩前に出て振り返る。
「ごめんなさい。彼氏があそこにいるの見つけたから戻るね?」
男の返事も待たずに駈け出して物影に隠れた。……あぁ、しんど。
「…サンジ君、どこにいるのかなぁ…」
駄目駄目!めげるなっ!…って自分を励ましてた。サングラスをかけ、普段おろしっぱなしの髪をアップにして結んだ。(ナミは、これだけで誰かわからなくなる!って言ってた)適当に歩いてればサンジ君見つかるかな、と思って物陰から出て歩き出した。(見つけたくないけど。)サンジ君にこの姿見てもらいたいって思うけど……別れる!!って言われてショックを受けてナンパしてないでほしいとか思っちゃってたり。
「かーのじょ!!!俺の女神になってくれませんかぁ〜?」
聞き覚えありまくりの声がして、びくっと肩を揺らしてしまった。きっと、サンジ君はその辺の女の子に声をかけてるんだろーなぁ。やっぱり、ショック受けてないんだ…なんて思って、歩みを速めた。
「ん〜!!ツンツンした君もかーわゆーいvv待ってぇ〜Vv」
……今回見つけた子はそんなに可愛いのかな?いつも目移りするサンジ君のも今回はしつこいと思った。―――刹那、
「キャッ?!」
腕を掴まれて足を止めた。(怖い…怖い。今まで腕を掴まれる前に逃げてたから)
「ねーねぇ〜Vv綺麗な君にフォンリーラブ!!!天使かと思っちゃったよぉ〜vV名前くらい教えてぇ〜??」
……私の腕を掴んだのはサンジ君だった。
ねぇ、サンジ君。
いつもこうやっていろんな女の子を引き止めてたの?
ねぇ、サンジ君。
こうやって、触れてたの?
ねぇ、サンジ君。
……私は仲間でもないの?
(なんで、すぐに気付いてくれないの?)
「―――――――?!」
返事をしない私を変に思ったのか、サンジ君は私の顔を覗き込んだ。さすがにこんなに近くに顔があるんなら気付くよね…。(誰にでも、こんなに近付くんだね)
「あらサンジ君、久しぶりね?何の御用かしら?もしかして、彼女を女神とか天使と見間違えた?そんなに見たいんなら死ねば?貴方なら美女が迎えに来てくれるかもよ?」
「え………凛ちゃん;」
「私は生憎女神でも天使でもないんで。…じゃ、ナミがこの島に4日間滞在してもいいって。よかったね、ここにはビキニの美人で可愛い子がいっぱいよ?両手に花ね、サンジ君。私はこれから約束があるから、ばいばい」
最高の笑みで言ってやった。…もう、苦しいのは嫌なの。だから、サンジ君とは別れる。サンジ君も、私みたいな面倒な女より、1日限りの恋人たちの方が楽でいいんでしょう?
呆然とするサンジ君を残して、私はその場を後にした。
(想いは、その場に置いてきた)
次に会ったときは、ただの船員に戻るだけ。
だから、今だけは泣かせて。
――大好き、でした。
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