[携帯モード] [URL送信]
【あいしてるよ】
頭の中が真っ白になる、ってのはこのことだと冷静になって考えられたのは、千景様の真紅の瞳と私の瞳が交わった時だった。



「す、き…?」


「この俺にそう何度も同じことを言わせるのか?」


「あ、えっと、その……冗談、なんかじゃないですよね?」


「そう軽々しく冗談で言える言葉なのか?」


「ち、違います!ただ…信じられなくて」


だって、いつも私が好きって言うと適当にあしらうんだもん。急にそんなこと言われたって、頭が追いつかないよ。


「ほう…。なら、お前のように毎朝“好きだ”と言えば良いのか?それでお前が信じるなら言ってやろう」


夢みたい、ってのは、こーゆーことなんだろうか。…いやいや、夢じゃ嫌だけど。現実であってほしいけど。


「……だって、いつも適当に私のことあしらってるじゃないですか。…本当に、本当に…」


「信じられんなら何度でも言ってやろう。―――――俺は凛を好いている」


「っちか、げ、さまぁ…っ!!!!」



ちゅ、と可愛らしい音を立てて頬に千景様の唇を感じて、涙が重力に従って零れた。




[*前へ][次へ#]

7/9ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!