16 「え……」 聞き間違えじゃない?今…… 「ずっと凛のこと考えてた。きっと初めて見たときから好きだった。…ずっと寂しそうにしてるお前が、気になって仕方なかった…」 「う、そ……」 「嘘なわけあるか。朝苦手なのに、お前が部屋から出てくるの待ってたのも、お前が気になってたからで…。アリスストーンを褒められた時、初めてあんなこと言われて嬉しかったし」 えっと…… 「夕日の色とかリンゴの色とか…?」 「俺、ずっと血の色だと思ってた。火のアリスなんて、人を傷付けることしかできなくて…赤が嫌いだった。だけど、お前があんなふうにいってくれて、好きになれたんだ」 「…血の色って、もっと黒いよ?それに、火は人を傷付けるだけじゃないよ?確かに火事とかになったら怖いけど…。冬になると、凍えた体を温めてくれるじゃん」 「(そんな風に言ってくれるから好きになったんだよ…)…それに、副担を励ましてた姿見て、凄いと思った。あんなこと言えるの、凛だけだよ」 「……(さっきから褒め殺し…///)」 「……今まで凛を傷付けてきた。…だけど、好きだ」 必要としてくれてるの? 「棗の隣にいていいの?」 「隣にいて欲しい」 「その言葉……信じてもいいの?」 ねぇ、どうしよう。 「あぁ。……凛」 嬉しくて、涙が止まらないよ…? 「なつ、め…っ!!!」 私は棗に抱きついた。涙でぐしゃぐしゃな顔だけど、そんなの気にしない。涙で棗の服に染みができちゃってるけど、気にしない。 「好き…っ大好き・・・!!!」 棗の隣が、私の居場所。 初めて手に入れた、光。 [*前へ][次へ#] [戻る] |