13 「おい流架、こんなとこにいたのか」 「あ…棗」 1番最初にRPGにチャレンジした流架。パーマと一緒に整理券を配っていたのだ。心読み君と一緒にいた棗は、行くぞと言って来た道を戻ろうとした。 「あ、棗やん!!もしかしてRPGやりにきたん?!」 面倒なのがきた…と棗は呟いた。蜜柑はやってやってとしつこく棗につきまとう。 「誰がこんなアホらしいのやるか」 「ふーん。そんなこと言うんなら、簡単にクリアできるよなぁ?」 そこへ、アラジンの格好をした翼が。翼は棗にRPGをやらせようと、上手く口を動かした。 「んだと…?」 「これでクリアできなかったら、とんだ笑いもんだな」 「ねーねー。面白そうだったから棗君の分の整理券もらったー」 そこへ、整理券を持った心読み君が。棗は整理券を奪い取り、ゲームに参加することにした。 「ぜってーお前を奴隷にする」 「(ぶっ物騒な……こりゃぁ負けらんねー…)」 翼は密かに冷や汗をかいていた。 「まさか蜜柑がやられるとは…」 宣誓通り、棗は見事クリアした。ちなみに、心読み君は途中リタイアだ。 「翼せんぱーい!!うち騙された!!うーっ(涙」 最後の相手は蜜柑。アリスも効かないし、武器も役立たずだった。そんな棗の取った行動は、仮病を使うこと。蜜柑はまんまと騙され、棗はクリアした。 「まぁ、俺のを選べる確率は低いわけだし…」 「おい、あいつの心読め」 大丈夫、と言って自分を励ます翼は撃沈。棗には心読み君がいる。彼はじっとして……… 「これ、」 そう言って、ひとつのランプを棗に渡した。 棗は、翼にどんな命令をしてやろうかと考えながらランプを開けたが…… 「…………、くだらねぇ」 そう言って、中に入っていた紙を投げ捨てた。 「どないしたん?」 蜜柑は捨てられた紙を拾った。 「あ、これ凛のやん!!うち呼んでくる!」 そう言って蜜柑は走っていった。棗はどーゆーことだ?と言わんばかりに心読み君を睨んだ。 「あれー?棗君、ここにきてからずっと凛ちゃんの顔が浮かんでたから、てっきりー。ごめーん」 …どこまでもマイペースな心読み君だ。 「ちょっと、蜜柑?!」 「はよはよ、待っとるで?」 「「……あ、」」 久々に、目を合わせた2人。気まずい空気なのは、蜜柑でさえも感付いた。 「2人ともどないしたん?前は仲良かったのに…」 「(凛…痩せた?)…お前に関係ないだろ」 「翼先輩、どーゆーことですか?」 「(なんか険悪な雰囲気…ここはいっちょ、仲直りの手助けでもしてやるか!!)残念だけど凛ちゃん。3日間棗の奴隷だよ」 「……はっ?」 「拒否権なし!凛ちゃんも特力の仲間なんだから。とゆーわけで、頑張れ!!」 そう言って、翼は凛を棗の前に差し出した。 「何で私が……」 「…別に俺はど「奴隷いらないってのはなし!!選んだからには、3日間常に一緒だぜ☆」…(怒」 「凛……がんばりーや!!お姉ちゃん見守ってんで!」 「(姉面しないでよね…最近任務続きで疲れてるのに…)…翼先輩、私気分悪いんで無理です。変わりに別の「凛ちゃんにも拒否権なし!」…何で…。お願いします、翼先輩…」 凛は縋るように翼の服を掴んだ。刹那、棗はギロリと翼を睨む。 「(ん?まさか、凛ちゃんにこと…)」 翼はそんな棗の変化に気付き、さり気なく凛の背中に腕を回した。 「…、行くぞ」 棗は凛の腕を掴んで翼達から離れて行った。 「(頑張れよ〜)」 翼は2人に手を振っていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |