11 「おはよ…」 「……」 「……」 教室に行くと、すでに2人は来ていた。声をかけても、2人は返事をしない。たったそれだけのことで泣きそうになるのは、私が彼等を信用しきっていたからだ。 忘れていた。彼等も蜜柑を知る人で、蜜柑とよく話をする人。 忘れていた。このクラスは、蜜柑がいたからこそまとまっているってこと。 浮かれてたんだ。ちょっと優しくしてもらったから、調子に乗っていたんだ。 それだけのこと。 「……無視するほど私が嫌いってわけですかー」 そう言って、来た道を戻って行った。 「棗…本当は違うんじゃないの?今だって声震えてたし…」 「流架。あいつの肩持つのか?あいつは望んで任務をしてるって言った…」 「……」 「ペルソナ、いるんでしょう?」 北の森に向かって言うと、木の後ろからペルソナが出てきた。 「よくわかったな」 「……ねぇ、私に任務をいっぱい頂戴。私のアリスは自分の命を削ることもないし、アリスに寿命はないんでしょう?」 「お前のノルマはクリアしている。まだやるのか?」 「…私は大丈夫。だから……そうね、棗の分も私にやらせて?彼、任務を続けると体壊れちゃうでしょう?」 「(お前は心が既に壊れているな…)…分かった。では、今から行くぞ」 「ありがとう、ペルソナ」 私の居場所は、ここしかないの。だから、どんなに蔑まれても、ここを離れたくないの。 だから、棗…流架。今まで私を気にかけてくれてありがとう。だから、私は2人の為にも…自分の為にも、闇の人間になる。 もう、後戻りできない。 [*前へ][次へ#] [戻る] |