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「乱菊さん、いつか私が……もしも私が、また死神を嫌いだなんて言い出したら、怒ってください」


「…へ?」


「私も死神だって言って、怒ってください」


「…覚えてたらね」


乱菊さんは、そう言って笑った。
(大丈夫。死神を嫌いだなんて私が言わせない)









「……あれ?」

怒られるのを覚悟で執務室に入ったら、冬獅郎はいなかった。喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか。


「よかったぁ〜!さ、仕事の続きでもしよ〜っと」

死覇装の袖をまくってやる気をだす乱菊さん。けど…


「なんでそう言ってるのにソファに横になってるんですか、乱菊さん?」


「え?あ、これは、その〜……」


「ちゃんとやらなきゃ冬獅郎に減給されちゃうよ?」


「んも〜…分かったわ、ちゃんとやるわよ…」


あんたは私の保護者か〜い、とかブツブツ言いながら席に座った乱菊さん。それを横目に、私は書類に目を移した。





「…珍しいな」

1時間ほどすると、疲れた表情の冬獅郎が戻ってきた。


「おかえり、冬獅郎。疲れてるでしょう?今すぐ温かいお茶持ってくるね」


「…あぁ、悪いな」


…私って、本当に馬鹿だね。おかえりだなんて言って、笑顔を向けて。本当は見たくないのに。四番隊員の霊圧を微かにつける冬獅郎を、見たくないの。だから、逃げるように給湯室に入った私。乱菊さんがいらついていた顔をしていたのは、知らなかった。





「隊長……なっがーい休憩でしたねー?どこいってたんでしょうかねー?まさか四番隊だなんて言いませんよねー?恋人の久々の勇気を振り絞った誘いを断るくらい重要なことだったんですよねー?ねー、隊長?」



「……容体が急変した。発作を起こして…。治まるまでそばにいただけだ」



「…隊長、行かない方がいいですよ」



「…なんだと?」



「雛森はきっと、隊長に斬魄刀を向けたことを後悔しています。目が覚めて隊長がいたら、あのその時のことがフラッシュバックして…。だから、もっと安定して仕事に復帰できるくらい回復したらお見舞いに行ってあげた方がいいと思います。(そのほうが、凛も傷付かない)」



「……考えとく」
(そんな気、ないくせに)
(隊長は、気付かないの?)
(凛の心が、壊れていく音に)
(私には、どうすることもできないことを)


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あきゅろす。
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