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もう慣れてしまった。大好きな人が、大切な人を思う姿に。




「…悪い、凛。休憩してくる」


「…分かった。ちゃんと、休んでね?最近、冬獅郎ったら眉間の皺が増えてるんだから」


「すまない…」



そう言って、冬獅郎は執務室を後にした。



「凛っ!!!あんた、どんだけお人好しなの?!」


乱菊さんが、筆をバキッと折って私に詰め寄った。…乱菊さん、私はお人好しなんかじゃないですよ?嫉妬で狂いそうになるくらい、醜い人なんですよ?偽善者の皮を被った人なんですよ?



「…乱菊さん、私に出来ることは、この山積みになった他隊の書類を片付けることです」


「彼女なんだから我儘くらいいいなさいよっ!隊長も隊長よっ…」


ガシガシと綺麗な髪を掻きまわして席に着く乱菊さん。私からして見れは、乱菊さんのほうがとてもいい人ですよ?冬獅郎に怒鳴りつけることができる乱菊さん。けど、それをしないのは私が怖がっていることを知っているから。冬獅郎にどうしたらいいのかを尋ねて、冬獅郎は私を優先させるという決断する確信がないから。だから、乱菊さんはぶつけようのない怒りを持っている。…私の為に、怒ってくれている。私は、それだけで十分ですよ?



「しょうがないじゃないですか、大切な家族なんですから…。家族が意識不明だったら、だれだって心配するものでしょう?凄く大切な人だったら…」


「あんたそれでいいの??」


「…もし、乱菊さんが…仮に、意識不明になったら、冬獅郎に構ってられないと思います。それと同じですよ」


「(同じじゃないわよ…)私は絶対に意識不明になんてならないわよ?」


乱菊さんが、私を元気づけようと明るい声で返事をした。



「…あれ?この前、酔いつぶれて私の部屋の前で倒れていたのはどちら様でしたっけ?心臓が止まりそうなほど驚いて、慌てて四番隊に運んだのは気のせいでしたっけ?」



「う………まぁ、それはそれよ!!さーて、私もお仕事やっちゃいますか!!定時までに帰って、凛と飲むために…っ」


「え、今日飲むんですか?」


「あったり前よぉ〜!!修兵と恋次も一緒よっ!!さーさっ、アンタも頑張んなさいよ〜」


「…って言いながら、利き手に持っているのは何ですか、ま・つ・も・と・副隊長」


「…あらやだ、無意識にお煎餅なんて…(苦笑」


もう一度言う、乱菊さんは、とてもいい人。
(例え、もう片手にお茶を持っていても、ね)
(優しさは、感じるから)


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あきゅろす。
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