リョーマ君の失敗。
今日はリョーマ君の家にお泊りの日。毎週金曜の夜、私の家かリョーマ君の家でお泊まりが、付き合ってから習慣になっている。私の両親は出張でいない。夜1人で過ごす私を心配して、リョーマ君が提案してくれたんだ。最初、リョーマ君は私がリョーマ君の家に住めばいいって言ってきた。だけど、さすがにそれは…と思って、リョーマ君を説得して週1のお泊りにした。あの時のリョーマ君は可愛かったなぁ。拗ねた顔して、"俺と一緒じゃイヤなの?"なんていうから、可愛過ぎて私の鼻から出血大サービ…、おっと失礼。
「ねぇ、そんなの後でいいじゃん」
「えー?後回しにしたら、リョーマ君絶対やらないもん」
「…だって、つまんない」
今、私は国語の宿題中。クラスが違うから、国語の担当の先生も違う。宿題の量も違う。というわけで、私は必死に宿題をやっているわけ。リョーマ君は学校で終わらせたらしい。隣の席の誰かさんに見せてもらったんだって。ずるい。
「…って、リョーマ君?!何して…っ!」
「何って、俺のって言う印付けてんの」
「そ、そんな見えるところに…ぃたっ、」
「……ごめん。けど、凛のここ、白すぎるのが悪い。痕付けたくなるもん」
「…っ!!」
リョーマ君は私の後ろに回り込んで座った。大人しくリョーマ君の両足に挟まれて座っていると、首元がこそばゆくなって。フッて息を吹きかけられて吸われた首は痛くて。こんなところに付けたら、髪おろしてなきゃ見えちゃうよ。いっぱい文句言いたかったけど……"付けたくなるもん"なんて、またしても拗ねたように言うリョーマ君に、私が怒れるわけない!絶対知っててやってるよ、リョーマ君。私はリョーマ君の可愛い仕草に弱いんだ…かなり。
「分かった分かった!宿題は明日やるから、リョーマ君離れて!」
「ちぇっ…」
私がペンを置いて両手を上げて降参ポーズをすると、リョーマ君はしぶしぶ離れた。離れたと言っても、隣に移動しただけなんだけどね。
「リョーマくーん?」
「んー?」
「…特に用はないんだけどさー……」
リョーマ君は私の隣に座ると、私の髪をいじり出した。なんかフワフワした気持ちになるんだけど、なんてゆーか、恥ずかしいってゆーか、眠くなってきちゃうんだよねー。
「眠いの?凛…あ、もうこんな時間なんだ」
枕元の棚にある時計を見ると、短針は10をさしていた。気持ちよすぎて時間の感覚が分かんなかった。
「そろそろ寝よう?リョーマ君、明日練習あるんだよね?」
「うん…でも、せっかく一緒にいるんだから、もっとこうしてたい」
そう言って痛いくらいの強さで抱きしめてくるリョーマ君。甘えてくるリョーマ君が可愛くて、私はいつも気を許しちゃうんだ。羊の皮を被った狼。まさにリョーマ君にはそんな表現がぴったりだって知ってるのに。
「いいよ。…私も、リョーマ君とずっとこうしていたいから」
リョーマ君がニヤリと笑った感じ…所謂、悪寒ってのがした。
「じゃあ、添い寝してあげよっか?…朝まで抱きしめてあげる」
「え、あ、う、うっそー?!」
「ほんと」
リョーマ君は軽々と私を抱き上げてベッドの上に寝かせた。手際の良さに感激!
「あ、あの、菜々子さんにお布団用意してもらってるんだけど……菜々子さんの部屋に」
「大丈夫」
「いやいや、その"大丈夫"の根拠は何処?!って、服ん中手突っ込まな…っ」
あぁ、駄目だ。これ以上声を出すと、変な声が出てくる。
「そんな逃げなくてもいいのに…」
シュンとした表情をするリョーマ君。間近でそんな表情をされると、心臓がパニックだよ!どうやら彼は、私をキュン死にさせたいみたい!
「イ、イヤなわけじゃなくて…その、恥ずかしくて…」
「だったらいいじゃん。明日8:00に起こしてね?因みに、凛がキスしてくれないと起きないから」
「え、ま、まじでこの体勢で寝るの?!」
「こんなの冗談でするわけないでよ。はい、寝た寝た!おやすみなさーい!」
リョーマ君は部屋の電気を消して私をぎゅっと抱きしめた。暖房をつけていなかった部屋はとても寒くて。だからこそリョーマ君の温もりをいつもより感じて。リョーマ君の香りは凄く心地よくて。
はい、お休み3秒!
「気持ち良さそうに寝ちゃって…やっぱ失敗かも、(寝顔可愛過ぎだろ、)」
「ぅん……リョー、マ…」
「(っ!!呼び捨て…//)絶対失敗した…」
次の日、リョーマ君は寝不足だったみたい。なんでだろ。
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このサイト内の主人公って、変態要素含まれてるのが多いことに気付きました!←
リョーマが寝てる間に手を出すか出さないか…あみだくじをやった結果(←)、手を出さないになったので、こんな終わり方にorz
タイトルは思いつかなかったので適当に!←
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