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It's not dream!
越前リョーマに言われたいセリフ!より


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「越前君、今日はありがとね!」



「今日も、の間違いじゃない?」



「う…そ、それは、」



「どっちでもいいけどさ」



リョーマは呆れて笑みを浮かべた。
リョーマの彼女、桜井凛はある意味天才的だ。天才的な、馬鹿なのだ。テストの成績はいつもワースト1。○×問題では、採点する先生が"こいつ、わざと間違えてるんじゃないのか"と疑問に思うくらい見事に正解とは逆の回答をする。"こんなふうにひっかけ問題だすからねー"とわざわざテスト前に言ったにもかかわらず、気持ちいいくらい引っかかってしまう。ノート提出や出席日数、授業態度などで点をかせぐしか進級の方法はないと断言されるくらい、馬鹿なのだ。

そんな馬鹿の彼氏であるリョーマは、先生に泣きつかれた。どうにかして桜井に30点以上をとらせてやってくれ、と。そんなわけでリョーマは、テスト1週間前から彼女と一緒に勉強をすることになったのだ。









「あ、あははは………あ、送ってくれてありがと!今日も助かりましたー」



「当然でしょ。あんたみたいな馬鹿が1人で帰るなんて、心配で心配で何にもできないよ」



「むむむっ………私、そこまで馬鹿じゃな…っわ、」



「はぁ……ほら、だから心配なんだよ」




リョーマとの話に夢中になっていたせいか、彼女は何もないところで躓いた。咄嗟に彼女を支えたリョーマはわざとらしくため息をついた。




「言い返す言葉もございません………って、いつまでこの体勢?」



「うーん…俺って、結構頑張ってると思うんだよね」



「はい?」




リョーマは彼女を支え……抱きしめたまま、何か閃いたように言った。




「あんたに勉強教えるなんて、先生が俺に泣きつくくらい大変なんだよ?それなのに俺は無償でそれを引き受けてる。ねぇ、不公平だと思わない?」




「えっと、それはどーゆー意味で…(てゆーか先生、泣いてたんだ…)」



















「あんたを俺のものにしたい」













「…………えっ?!!!」

急に言われた言葉に顔を上げようとする凛。だが、リョーマにがっちり胸板に押さえつけられたため上げることが出来なかった。





「付き合ってから2ヶ月、結構我慢したんだよ?あんたと2人きりなんて多いし。ねぇ、俺にご褒美ちょうだい?」





「あ、あああの!!ここ、道端!は、はずかひっ…恥ずかしいです…っ!」





「噛みすぎ。そんな動揺しなくたって……俺のものになるの、イヤ?」






凛の耳元で囁くリョーマ。全身が痺れたような感覚に陥った凛は、リョーマに身を委ねた。
















「わ、私を、リョーマのものに…してください、」



力を振り絞った声に、リョーマはニヤリと笑った。


























「…って夢見たからさ、正夢にしようよ」



「ば、ばかっ//!!なんて夢見てんの!だいたい、リョーマ中1でしょ?!ばかじゃないの?そりゃ、私だって……っもう、ばか!!!」




「馬鹿って言いすぎ。あんたに言われたくない。…でさ、ちょうど2人っきりだし?放課後の教室ってのも、スリルがあっていいんじゃない?ねぇ、俺のものになってよ」





「っ…///」





「…イヤっていっても、するけどね」





「きゃっ!!!」







テスト前日。最後の追い込みに、2人は放課後の教室で勉強をしていた。もう日が傾いている。校舎内にいる生徒はほとんどいない。見回りの先生はまだ来る時間ではない。必死に勉強をしていた凛に、リョーマは昨晩みた夢を打ち明けた。それを正夢にしたのは、それから数分もしないうちだったとか。






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シリアスにしたかったのに、なぜかこんなのに……不思議だ。
いつかシリアス中編であのセリフを使いたいです。

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あきゅろす。
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