happy Hallowe'en
越前リョーマに言われてみたいセリフ!より
短め!
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「トリック・オア・トリート!」
「はい、あげる」
「え……まじっすかー」
今日はハロウィン!休日だからリョーマの家でのんびりまったり中。私もリョーマも人混みはあまり好きじゃない。だから、こういった行事の日はたいてい私かリョーマの家にいる。
で、今日はハロウィン!(あ、2回言った)…私の今の格好は、簡単に言うと魔女。いや、私の趣味じゃないよ?この年でコスプレは…ねぇ?とりあえず、私服でリョーマの家に着いた私。出迎えたのはリョーマではなく、ニコニコ(いや、ニヤニヤ?)した倫子おばさん。リョーマのお母さんが満面の笑みで私を出迎えてくれた。うん、悪寒しかしなかったよね。予感は的中。案内されたのは倫子さんの部屋で、そこには子供用の魔女の服。とんがった帽子に、黒いコート。文句を言う暇もなく着替えさせられ、開き直ってちゃっかりお菓子の入ったバスケットを持った私。リョーマの部屋に入ってカタコトでハロウィン恒例の台詞を言えば、あっさり返されてしまった。
リョーマは私にお菓子の入った袋を渡した。ジャックオランタンの形をしたクッキーだ。うん、可愛い。リョーマの趣味だったら、尚更可愛く見えるよね。だって、あのリョーマがだよ?
リョーマが私の為に買ってくれたんだよ?!そう思うだけでニヤけが止まらないよ!
「ニヤけすぎ、発音悪すぎ。Trick or Treat…って言うんだよ」
「むっ…リョーマの意地悪!そんなのどーでもいいじゃんか!てゆーか、何で用意しちゃってるの?!」
いつも余裕なリョーマにいたずらしちゃえ!って思ってたのに。私のリョーマへのいたずらを考えた時間を返せ!
私が口を尖らせていると、リョーマは噴き出していた。おいおい、彼女の顔見て噴き出すってどーよ?!
「凛のやろうとしてることなんてお見通しだよ。あんた分かりやすすぎ」
「え、嘘…そんな分かりやすい?」
「ま、俺しか分からないくらいだけどね」
「い、意味が分かりませぬ…」
"リョーマしか分からない"ってどーゆー意味だろ?リョーマってたまに意味不明なこと言うんだよね。私の脳細胞が可哀相だから、もっと簡潔に言ってほしいわ!
「あんたってどこまで馬鹿なの…」
「え、テレパシー?!」
「全部声に出てるから…意味不明なことって……本当に分かってないの?」
「だ、だから、分からないんだってば!」
あ、あれれれ?リョーマくんが近付いてきたよ――!リョーマのアップだよ――!なんか、なんか、いろいろツッコミどころ満載だよ――!
リョーマは私の手からバスケットを取って床に置くと、私の両手を掴んだ。え、何この体勢?!
「Trick or Treat」
「え…?」
「何かくれないといたずらしちゃうよ?」
にっこり笑ったリョーマくーん!笑顔があくどいよ!何企んでるんだよ!
「えっと……今リョーマが取ったバ「あれじゃダメ。もっと、俺が今一番欲しいものくれなきゃ、いたずらするよ」…っ、」
みみみみ、耳元で喋らないでほしい!
「わ、私をさしあげます!!」
………って、何言っちゃってんの私!
案の定、リョーマは目を見開いていた。うん、その気持ち分かるよ!頭のネジ抜けちゃってんじゃないの?って素で思うよね!
「ばっかじゃないの?」
ほら、
「あんたはもう俺のものだから。………いたずら、決定ね?」
What?
「え、ちょ、ま、前言撤回しますうううう!!!」
「やだ」
拝啓、お父様・お母様
はずみで"私をさしあげます"だなんて言ってしまった私は、今日は家に帰ることができません。なぜなら、狼の皮を被った狼に私をさしあげちゃったからです!彼は正真正銘の狼男です!…だけど、好きなんです。
敬具
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リョーマには狼男のコスプレをしてほしい。
あ、けど萌えを求めるならネコかも。
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