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急展開、みたいな
知人未満(?)スタート
リョーマ→ヒロインで
最終的には甘!
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今まで大抵の事はできた。自慢とかじゃなくて、本当に。勉強も教科書を一通り読めば理解できたし、運動も自分が思ってる以上に出来た。自分では頑張ってるつもりなのに、周りから見たらどうやら"スカした奴"らしい。小さい頃からあまり友達は出来なかった。中学に上がってもそれは変わらなくて、しかも入学式を寝坊で休んでしまったから、余計に馴染めなくなった。



頑張れば、大抵の事はできた。…友達が出来ないのは、別にどーでもいいって思ってる部分があるからかも知れない。





「…友達100人できるかなーなんて言葉考えた奴ぶっ飛ばしたい…」





「物騒なこと言うね」





「…………え?」





昼休み。教室は居心地が悪くて屋上に向かった。購買で買ったパンを完食させて寝っ転がって空を眺めていた。雲は自由でいいなぁ、なんて考えたり、何で友達って必要なんだろうとか考えたり、自分って何なんだろうなぁ、なんて考えたり…友達が出来ない自分にイラついて、ちょっと危ないことも言ってみた。そしたら、頭の上から声がして。ガバって上半身を起こして見上げると、そこには見慣れない人。他のクラスの人…かな?





「桜井って、意外だね」



「え、私のこと知ってるの?」



「……同じクラスなんだけど」



「嘘……ごめん。人の名前とか顔覚えるの苦手だから」



「へー…あんたにも苦手なものがあんだ」



「そうそう完璧な人なんていないでしょ、そりゃ」



彼は私の横に1人分空けて横になった。…なんでだろ、こんなに普通に話が出来るのは。クラスの女子見たいにキャピキャピしてないからかな?





「越前リョーマ。一応あんたの席の斜め後ろなんだけど」



「まじっすか。………ごめん、今ちゃんと覚えたから」



そう言うと越前君の表情は見えないけど、微かに声を出して笑っていた。不思議な人だ。







「あんたってさー……やっぱいいや」



「いやいや、全然良くないよ。私は憂いが晴れなくてきっと夜も眠れないよ」



途中で言うのを止めた越前君にツッコむと、クックッと喉で笑われた。酷い。





「あんたって意外と喋るんだね。もっと大人しい奴かと思ってた」





「人はそれを固定観念って言うんだよ。私はもともとこーゆー性格。ただ、クラスで話す人がいないだけだよ」



あ、自分で言って虚しくなった。





「………あぁ、誰かが言ってたっけ。"桜井はスカした奴"だとか、"何でも出来て調子乗ってる"とか」





「よくご存じでー。…越前君はそう思わないの?」





「別に。…何かが出来るのは、少なからず努力してるからでしょ?あいつらの言ってることはただのひがみじゃん」





「…………そう言ってくれる人がいて良かったよ」





うん、本当に良かった。私だって努力してるんだ。それを認めたくないから、"スカしてる"とか"調子乗ってる"とか言うんだ。そう思ってたけど、誰も私の努力を認めてくれる人がいなかったから…越前君がいてくれてよかった。









「………………あれ?」





返事が何もないなーなんて思って横を見ると、越前君は私に背を向けて寝ていた。そっか、越前君はここに寝に来たんだよね。そりゃ寝るか。貴重な昼休みを今日話したばっかの人となんか潰したくないもんね。





「…お休み、越前君」





そう言って、私も瞼を閉じた。



































「ねぇ、起きて」



「ん………朝?」



「いや、昼休み終わるよ」



「え、越前君?」



ゆさゆさと揺らされて目を覚ますと、越前君が私を見下ろしていた。……って、





「///」



「いや、顔赤くされるとこっちが意識するから///」



私は横を向いて自分の腕を枕にして寝ていた。スカートは太ももまで捲れあがってて、風でも吹いたらパンツ丸見えじゃないか。思わず顔を赤くしてスカートを直すと、越前君もつられて顔を赤くしていた。片手で顔を覆う越前君は、意外とウブなのかな。…って、私もか。







「起こしてくれてありがと、越前君」



「…リョーマでいいよ。越前君とか気持ち悪い」



「……ありがと、リョーマ!」





いろいろとありがとう。全部に感謝して笑顔を向けると、リョーマも笑ってくれた。そういえば、クラスの女子が話してたな。"越前君はクールでカッコいい"って。そのクールでカッコいい越前君は何処へやら。こんなに爽やかで温かい笑みを浮かべてるだもん。





「教室戻ろっか」



「うん、そーだね」



パンパン、と制服に付いた砂を叩きおろすと、ごく自然に2人で屋上を後にした。リョーマの隣は心地良い。何だか、心がホカホカする。























「すんごい今更だけど…2人で入ったらめちゃくちゃ怪しくない?」



「何で?」



「だってさ、予鈴が鳴ってから私を起こしたんだよね?だったらみんな席に着いてるわけだし…」



「別に…あんたってそんなの気にするような性格してたっけ?」



「いやいや、…こんな私と一緒に入ったら、さ」



「俺は大歓迎だけど?それに「おい、誰かいるのかー?」…ドアの前で話してたら誰がいるかなんて分かっちゃうでしょ」



「あ…」



リョーマと私が立っているのは教室のドアの前。授業前の静かな教室には会話が筒抜けだったかもしれない。





「こーなったら、いっそのこと付き合っちゃう?そしたらあんたの悪口言う奴いなくなると思うけど」



「みっ、耳元で喋んないでよっ///」



リョーマは急に肩に腕をまわして耳元で喋ってきた。は、恥ずかしすぎる…///





リョーマは空いている手をドアにかけた。……え、ちょ、ま、







「遅れてすいませんでした」





慌てる私を気にもせずにリョーマはドアを開けた。………ちーん。(死亡)あぁ、私の人生終わったかも。きっと今日の放課後にでも体育館裏にでも呼び出されちゃうんだ。んでもって、リョーマのファン達にフルぼっこにされちゃうんだ。







「………ん?」





女子の悲鳴でも聞こえるかとおもったら…あらビックリ。悲鳴も上げられないくらい吃驚しちゃってる。って、

























「ええええええっ?!」

















頬っぺたに暖かい感触。響いた悲鳴を発したのは1名。何を隠そう桜井凛、私であります。














  







「あんた、耳元で叫ばないでよ…」


「だ、だ、だ、黙って変態!」


「…嬉しいくせに」


「う……………………私、登校拒否になりたい」


「毎日迎えに行ってあげるよ」

あぁもう、恥ずかしくて死にそう!!









「ノリ、じゃないよね?」

「あんたって意外とバカだよね」

「はぁ?!」

「俺が何であんたのこと知ってるか分かる?…ずっと、見てたからだよ」

「っ…恥ずかしいです///」





(…結果オーライってやつ?)




そうだそうだ。どうやら私に背中を向けて寝てたのは…その、恥ずかしかったからだそうです。十分リョーマの行動の方が恥ずかしいと思うけどね!




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タイトル通りの急展開です
夢だからこその展開ですね


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