雨の日の笑顔と、
リョーマ彼女
切ない短文
続編ありで
最後はハッピーエンド
(プチ連載)
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付き合ってから1カ月。ずいぶんと私も捻くれてきたなぁ、なんて思い始めた今日この頃。
原因はそう、彼氏の越前リョーマ。彼のせいと言っても過言じゃないよ、きっと。
私は雨が嫌いだった。
じめじめしてて気持ち悪いし、髪の毛セットしても意味無くなるし、テンションが下がってく。
…だけど、彼と付き合ってから雨は好きになった。だって、雨の日は部活動が殆ど中止。ミーティングの日もあるけど、最終下校まで残ることはないから1時間も待ってれば確実に部活は終わって、一緒に帰ったりゲーセンとかに寄ることもできる。休日は確実にオフになる。外での部活動にとって、雨は最悪なパターンだから。だから、私は雨が好きになった。だって、雨の降る日は絶対に彼との時間が増えるから。彼と少しでも長く一緒にいられるから。
……けど、彼はテニスが大好きだ。彼の好きなテニスが雨のせいでできなくなるのを喜ぶ私は、さぞかし捻くれているのだろう。そう思って、ちょっと自己嫌悪になった。
それでも私は…
「リョーマ、遊び行かない?明日の練習も雨のせいでなくなったんでしょ?」
「…いいけど、どこ行くの?雨の日なんて、行けるところ限られてるじゃん」
「私、水族館行きたい!」
「また?この前も行った気が…」
「前とは違うところ!ちょっと遠いけど、めっちゃ可愛いペンギンのショーがあるんだ!いつでもできるように屋内でやるんだって!ねーっ行こう?」
「ほんと水族館好きだね。…明日1時に駅前。それでいい?」
「やったーっ!ありがと、リョーマ!」
雨の日の約束に、私は必ず笑顔になる。
(一度でもいいから、遊園地に行ってみたい。そんなことは、絶対に言えない。)
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