[通常モード] [URL送信]
く ち ぶ え
リョーマ彼女
ほのぼのor甘
------------







「ねぇリョーマ!!」


「…なに、」


「口笛吹ける?」


「吹けるけど…?」


「お願い!!私に教えて!!」


「・・・は?」




久々のデート。デートと言っても場所はリョーマの部屋。まぁ、2人きりになれるんだったらどこでもよかったんだけどね。さっきまでリビングでアイスクリームを食べていた私達。ちょうど昼ドラをやってて、なんかドロドロしてそーだなぁ、なんて思いつつテレビに見いてしまったのは私。死んだ恋人のお墓の前で、彼女が思い出の曲を口笛で吹くシーンに感動した。その間、リョーマは縁側で寝そべってた。

ドラマが終わると、昼ドラってこんな感動するものやってるんだ…ってちょっと感心して、リョーマの上にダイブ。まぁ、私がだいぶすることを悟っていたリョーマはちゃんと身構えていて、反応はつまらなかった。


…って、そんなのはどーでもいい。

こっからが重要。昼ドラに感動した私。口笛吹きたいなぁ、なんて思ってやってみたらただの有酸素運動になってしまった私。つまり、できなかった。不発に終わった空気は私の口からヒューっと出ていってその辺に消えた。そして冒頭に戻る。リョーマは昼ドラを見てなかったから、何で私が急に口笛の吹き方教えてだなんて言ったのか分かってない。だから、昼ドラの話をした。



「ふーん…ま、いーけど?」


「やったーっ!ありがと、リョーマ♪」



さっそく、練習開始!!



「…で?」


「うーん…あ、そうだ」


リョーマはコップを私に持たせた。さっきまで飲んでたレモンティーのグラス。



「ストロー咥えて、舌をストローに付けてみて」


えっと…ストロー咥えて?ストローに舌を…



「その感覚で、息吐いて見て?」




…………。



「うんごめん、できない」


「じゃ、じゃぁ吸ってみて?人によって、息吸って出来る人と吐いて出来る人がいるし」



…………。




「え、ごめん。私ほんと無理みたい。なんかヒューって空気のすれる音しかしないし、無駄に疲れる」


って言ったら、リョーマはため息をついた。




「じゃ、ちゃんと教えてあげるよ」


「え、ちゃんと教えてくれてなかったの?」


「てゆーか、口伝えで教えられるようなもんじゃなくね?」


「ほー…え、」



な、なんかよく分かんないけど、リョーマの顔が近いんだけど!!!











「俺が、口で教えてあげる」


そう言ってニヤッと笑ったリョーマに思わず見惚れてしまい、一瞬で口を奪われた。





リョーマの舌が(自主規制)―――












「はっ、は、は、リョ、マのあほー…キス、魔ー…」


「アンタにだけだよ。俺がキス魔になるのは。それより、息整ったら口笛やってみなよ」


どあほーい…っ!何故?Why?どうしてリョーマはそんな意気揚々としてるの?!





「えっと…ス、ストロー咥える感じで…ヒュ、ヒュー♪……で、できた?!!!」



び、びっくり!!あんなんで出来るようになったの!?私って凄くない?さっきは息が掠れるだけだたのに…っ



「できたじゃん。俺のおかげで」


「うん!!ありがとーっ!リョーマ凄いねっ」



ぎゅっとリョーに抱きつくと、背中にリョーマの腕がまわってほっとした。ぎゅって力を込めると、それに反応するようにリョーマも強く私を抱きしめてくれた。





「ねぇ、凛」


「ん・なあにー??」


「もっと口笛上手くさせてあげようか?」


「……っえ?!、ふ、」


リョーマくん!急にキスするのは反則だよ!酸素が足りないよっ!…なんて考えつつ身を委ねる私はリョーマにベタ惚れなのです。はい。









く ち ぶ え






(もしかして、リョーマって…)



(なに?)



(誰かとキスして口笛上手くなったの?!)




(………)




(え、本当??)




(………)




(ちょ、嘘だと言ってよジョー!)




(ジョーって誰、)




(え、話の流れ?)




(あんた、ほんっとーに馬鹿)




(なんだとー?)









「俺、アンタとしかキスしたことないから」




(う、うそ///)




(ほんと、口笛は何となくやってみたら出来た)










それはそれで、ちょっと悔しい。



←前次→

25/79ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!