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06※
唾液を流し込まれるような深い口づけに翻弄されながら、懸命に胸を押し返すが、ピクリとも動かない。

「っ、んーーー!?」

隅から隅まで味わい尽くされたのかと思うほど、口の中を舐められ、ようやく陽炎の唇が離れる。

陽炎の濡れた唇が、飲み込みきれなかった唾液をペロリと舐めとる。
顔から火が出たのかと思うほど、頬に熱が集中したのがわかる。

「おまっ……なに考えて!?」

腰を押さえられて動かせないならと、腕を振り上げて殴りかかろうとすると、あっさりと掴まれて、両腕を頭上でまとめられてしまう。

「喚くなって」

抵抗を封じられた腕は、馬鹿みたいに強い力で握られて、あっという間に痺れをもたらしてきた。

しかもこれが片手なのだから馬鹿力に脱帽する。

「ちょっ……!?ば、馬鹿馬鹿馬鹿っ!」

湯帷子の上から、股の間の代物を柔やわと揉まれてしまい、思わず叫んでしまった。

いや、もう先ほどからずっと叫んではいるのだが。

「ったく、色気ねぇなぁ」

そんなものなくて結構だ!

心の中で叫んでも聞こえてる筈もなく、股間をまさぐられ、自分の意思とは関係なくそれは頭をもたげてくる。

「ま、待てって………!!ここ、外っ……!」

そう、ここは清洲の城下を一望できる丘の上。
滅多に人が来ないとはいえ、誰に見られるか分かったものではない。

「大丈夫だ。最後まではしねぇから」

って、そういう問題じゃない!!

「…………信長」

耳許で熱っぽく囁かれて、信長はピクリと体を揺らす。

陽炎の艶のある低い声で囁かれてしまえば、もうどうしようもない。
信長は羞恥に堪えながら、涙さえ浮かびそうになる目を強く閉じる。

反則だ。
俺が陽炎のその声に弱いのを知っていて、そんな風に囁くなんて。

「いい子だ」

またもや耳許で囁かれ、体が震える。

優しく握りこまれた中心は既に立ち上がり、前を押し上げている。

信長の抵抗がなくなったのを見て、陽炎は腕の拘束をほどいた。

「ああ、少し赤くなっちまったな」

信長の手首を見て、申し訳無さそうな声が降ってくる。うっすらと目を開けると、陽炎は妖艶に微笑み、まるで慰めるように頬を撫でられる。

その心地よい温もりに再び目を閉じると、今度は優しく口づけを落とされる。
舌先で唇をつつかれ、開くように促される。

小さく唇を開けば、陽炎の熱い舌が口内をねっとりと舐められていく。上顎を舐められ、腰に手を這わされれば、体が勝手に小刻みに揺れる。

「ぅ…………んぅ……」

深い口づけに息をするのも忘れそうになり、頭の芯が痺れてくる。

嗚呼、本当に。
陽炎の口づけは巧いな。

「っん……んうぅっ!」

朦朧としてきた頭の隅でそんなことを考えていれば、直に中心を握り込まれ、先端を擦られる。
反射的に腰がビクビクと跳ね、出た声は陽炎の口に飲み込まれた。
どうやら口づけの最中に湯帷子の裾を拡げられ、褌までもほどかれていたようだ。

ようやく口づけから解放され、空気を取り込もうとするも、みっともなく声を上げてしまいそうになり、慌てて口を押さえる。

「こら、苦しいだろ?声、抑えんな」

「ふぅっ……!ううぅっ………」

確かに苦しい。
けど、声を出すのも恥ずかしいのだ。

先端を弄るのを止めて欲しい。
満足に空気を吸えなくて、生理的な涙が流れる。

それでも信長は駄々を捏ねる子供のように首を振る。

「強情なやつだな。ほら、先端から汁が出てきてぬるぬるしてるぞ?」

そんな恥ずかしいこと、一々説明するな!
もうやだ…………。
恥ずかしい。

「…………うぅんっ、ふっ……!」

本格的に朦朧としてきた頭で考えられるのは、兎に角、口を塞がなければと言う強迫観念。

ボロボロと勝手に涙がこぼれる。

見かねた陽炎は、信長の手を無理矢理剥がした。

「声、聞かせろ」

そう言った陽炎は、いつの間に取り出したのか、大きな手で自身と信長の中心を一緒に握り込み、擦り始めた。


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