運命の独唱(アリア)
美人
「一年Eクラス、瀬能 奏君って君のことだよね?僕は三年Sクラスの氷室雫石。ちょっと話があるんだけどいいかな」
氷室は奏を見ると微笑んだ
明るさとか優しさとかじゃなくて、
妖艶。という言葉がよく似合う
そう思った
「俺に…ですか?」
「そうそう、ちょっと興味があってね」
口調は穏和そのものだが奏を見つめる視線にはどこか隠しきれない絶対服従を促すものがある
「…解りました…」
奏の肯定の言葉に氷室は良かったと微笑むと、
立ち上がった奏の手を掴んであるきだした
そのまま教室をでて階段を下る
つれていかれた先は中庭
昼休みだからか誰もいない
「…先輩、それでお話とは?」
足を止め向かい合う形になった氷室に遠慮がちにとう
「君は属性不明なんだってね」
なんでこの人がそんなことを知ってるんだ…
「はい、入学テストでそういわれましたので」
「話はその事なんだ。君はもしかすると多重魔術師かもしれない、だから力を使うときには気をつけて。今、僕達も調べているところだからそれだけ伝えようと思ってね」
そう言うと氷室は微笑んだあとパチンと音を響かせて消えた
正確には氷室は幻想術を使ったのだ、水面に自分の顔が移るようにその原理を応用して自分の姿を移しとる。
かなりの技術が必要となる上、会話をさせるとなると相当の水魔法使いであるとわかる
多重魔法使いとは、基本的に一人一つの属性にプラスして光と闇魔法が使えるのだが、
チートレベルで炎を初め水、土、雷、風、光、闇魔法を使える魔術師のことを指す
「…Eクラスなのにそんなことあるわけないじゃん」
一人残された奏はポツリと呟くと
教室へと足を急いだ
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