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運命の独唱(アリア)
星の存在

「…離して」

ガシッと周防に握られていた手が解放され新たに掴まれる

「…周防環、生徒会命令…この子離して」

今…生徒会っていったか…?
生徒会室ではこんな人みたことない。そんな疑問が頭をよぎる

「…っ、リクエスト…絶対に受けろ」

会長のいった通り生徒会という言葉を聞いた瞬間周防の表情が変わり一言言うと去っていった

「…生徒会の…人なんですか…?」

新たに俺の腕を掴んだままの人物に問いかける
白っぽい金髪で緑色の目生徒会室では見たことのない顔。
整った容姿のせいか寡黙な様子にはくしゃがかかって話しかけづらい

「…」

「…?」

何でこんな見てくるんだろう…
じっと見てくる為に腕を振りほどこうともできない

「…瀬能奏?」

「?はい…!?うわぁっ!?」

コテンと首を傾げて聞いた先輩に頷くとまるで米俵のように担がれた
視界が一気に反転する

「ちょっ!ちょっと!?なにするんですかっ!?」

「…大人しくして…落としちゃう…」

「…え!?」

こんな高い所から落とされるとか冗談じゃない
ボソッと呟かれた言葉に大人しくすると俺を担いだまま歩き始めた

「…あの…」

「……何?」

「誰?」

とりあえず大人しくしながら頭だけ上げる

「…あ…忘れてた…掛川星羅、二年生」

「掛川先輩ですか…でなんでこんなことに?」

どうやら自己紹介を忘れるほどマイペースらしい
掛川は歩きながら あぁ、と言葉を漏らした

「…会長から言われた。瀬能奏を連れてこいって」

「え゛…」

まだ今朝のこと根にもってたのか…
食堂で二人をおいて来てしまったことを軽く後悔しながら項垂れた

「寝ててもいいよ?俺も眠い」

「…結構です」

全く的はずれな気遣いをしてくれた掛川に恨みがましい視線を送りつつ午後の授業開始のチャイムがなるのをききため息をついた

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