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運命の独唱(アリア)

ide森崎兄弟

コンコンコン

返事がない

昨日話した引っ越しの件で手伝いに来たのに中からはまったく返事がない

「かなちゃんもしかして逃げた…?」

もしかしたらあるかもしれない
引っ越しの話をしたときかなちゃんはあまり乗り気ではなかったようだから

「わからないけど、こうなったら悪いけど部屋に入ってみるしかないよね?だって僕たち一応ノックしたし」

奏くんが嫌がったって僕たちを嫌ったとしても逃がすわけにはいかないんだから

「風斗…?」

「祐も覚えてるよね、」

僕がそう言うと祐は少し顔を曇らせた

「わかってるし、…風斗やって」

「うん」

手をかざすとドアが開く
普段ならば絶対にしないことだが僕たちの役目だ

「…開いた、」

一緒にはいると規則正しい寝息がかすかにきこえる

「かなちゃんいた…よかった…」

とどうやらかなちゃんは寝ていて反応が無かっただけみたいだ
隣を見ると明らか風斗も安堵しているようだった

「とりあえず奏くん起こそうか…」

「そうだな」 

次の瞬間僕たちは、俺達は驚いた

「かなちゃん…?」
「奏くん…?」

眼鏡を外して長すぎると思っていた前髪をどけた素顔の彼はなんと言うか、とても綺麗だった

「…なんでここに」

受けた衝撃は思ったよりも大きかったらしく起きた彼にそんなことを言われても固まったまま動けなかった

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