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こ、これが不思議の国!?…あぁ可笑しな国でしたか。
2.寝
「…………」



「………ぇ…」



「…ね……ぇ…」






『んん〜〜』

頭上で声が聞こえた。


多分私を呼んでる、きがする

うるさい私は今睡眠してるのが見えないの節穴なのか。



「……ねぇ…」


知らん知らん

『……あと……3時……か…n…』


最後の力を振り絞ってもごもごとそれだけ言いゴロンと寝返りを打つ


ぐおおおおぉ


寝返りをうったアリスはあっという間にいびきをかきはじめてしまった




「あれれー、また寝ちゃったね」

「うん、寝ちゃった寝ちゃった」


そんなアリスを覗き込む二人の青年。

好奇心丸出しのその目はまだ幼心が見て取れる


二人とも緑色の髪に片目ずつに黒い眼帯をしてまったく同じような格好

どうやら双子のようだ


「ねぇってば、君はだれ?」

青い目の方がアリスの体を揺する


ぐごおおおぉー

しかしアリスは起きる気配すらない


「うーん。この辺ではみたことない顔だよねぇ」

と緑色の目の方

「でも………」
ニコリとアリスをみる
「「かわいい子だね」」

ピタ。

「………ちょっと、シアン。僕が先にかわいいって思ったんだからね」
と緑目

「なんだよ、僕のほうが先だってば。嘘はやめなよティール。ていうかこの子をみつけたのは僕だけど」
と青目


「いや、僕の方が早かったよ、視力Aだし」

「僕もだから」

「眼帯してるくせに」

「ティールもしてるだろ」

むむむーっといがみ合う双子……もといシアンとティール。



この二人がアリスをみつけたのは30分くらい前。


毎日の日課としている散歩の最中にクローバーの原っぱですやすや眠っているアリスがいた


そして冒頭にもどる。



「なーにしてんのーっ?」


いがみ合う不穏な空気に合わない能天気な声


シアンとティールが振り向くとニッコリと笑うチェシャ猫がいた。


明るいオレンジの髪からみえる紫がかった耳をひょこひょこし、しましまの尻尾を揺らしている


「「うわ…………変態猫……」」

そんなチェシャ猫をみてうれしくない声を上げる双子


「ちょっと二人ともそんなにあからさまに嫌な顔しなくってもー!」

「嫌だから」 「ごめんね、素直で」


「あ、相変わらずかわいくないね……君たち…。」

「で、リコはなにしにきたの?」


「え、あぁそうそう!この辺から かわいい子 って言葉が聞こえてさ!」


紫の耳をひょこひょこ動かす


「「……気持ち悪………」」


「ちょ、マジで虫を見るような目やめ「虫じゃないよゴミだよ」「虫さんに失礼でしょ」


「お兄さん傷ついちゃ……」


不意にチェシャ猫…リコの言葉が止まる

目線はシアンとティールの後ろ。眠っているアリスだ

「だれこのかわいい子!俺好み!お持ち帰りしていい?」
パッと消えたと思ったら次の瞬間アリスの隣であたまをなでなでするリコ。

「ちょっと汚い手で触らよねリコ!その子は僕が見つけたんだからっ」
とリコの手をパシッと払うシアン

「最初は同感だけどみつけたのは僕!とりあえず変態は離れてよね!」

「だからティール、その話は僕が見つけたってことで終わったよね」

「まだそんなこと言ってるのシアン?さっき僕が、見つけたって話が終ったばっかだよ」

「ちょっといい加減にしなよ」

「そっちこそ」


わぁーっと取っ組み合いを始めたシアンとティールをよそ目にリコは改めて眠っている少女をみる

格好はあのアリスのようだが顔をよくみるとあのアリスとまったくちがう

第一あのアリスをかわいいなんて思わないしね


長いまつげにサラサラな髪、ほんのり赤い桃色ほっぺに桜色の唇。

ほっぺにそっと手をそえる

連れて帰りたい。切実に。今なら犯罪だって犯せそうだ。いや犯せそ(ry


アリスの頭の横に両手をつき覆いかぶさる

「お姫様を起こすには王子様のキスが必要だよねー」

そう言い身を屈めアリスの唇に自身の唇を近付ける


「あーっ!リコ!」

「しねぇえぇこの変態ゴミ虫!」

そんな声が聞こえたけど気にしないよ

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