少年は荊(イバラ)に捕らわれて 2 「ひなっ!!!」 驚いて声を荒げる俺に、ひなは安心させるかのように 「こんなの舐めておけば大丈夫だよ」とへにゃりと微笑んだ。 陽向は天使みたいに優しいから、ゴミ屑でも庇うんだね。 そんな優しいところが、可愛らしくて好きな半面、嫉妬する。 ひなの瞳に映るのは俺だけでいい。 俺の瞳に映るのは、ひなだけでいい。 俺だけを見て、俺だけを感じて、なきゃいけないね。 ただ、興味のないことに関心がないだけ。 ひなの指を口元まで持っていき、赤い血を余すことなく舐める。 時折、舌を出して舐めたり、甘噛みしたりすると、ひなは頬を染めびくりと肩を震わせる。 その姿に、欲情して、体の奥が熱くなった。 ひなの血は、赤くて綺麗。そして、とても甘い。甘い甘い毒の華。 俺の飢えと渇きを満たせるのは、可愛い可愛いひなだけ。 俺達の…、俺の可愛いひなを傷つけたお返しをしなきゃ。 「ひな……、ちょっと忘れ物をしたから教室にとりに戻る。ここで待ってて……」 ひなの柔らかい髪を撫でて、向かう。 [*前へ][次へ#] [戻る] |