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少年は荊(イバラ)に捕らわれて

「ひなっ!!!」


驚いて声を荒げる俺に、ひなは安心させるかのように


「こんなの舐めておけば大丈夫だよ」とへにゃりと微笑んだ。


陽向は天使みたいに優しいから、ゴミ屑でも庇うんだね。


そんな優しいところが、可愛らしくて好きな半面、嫉妬する。


ひなの瞳に映るのは俺だけでいい。


俺の瞳に映るのは、ひなだけでいい。


俺だけを見て、俺だけを感じて、なきゃいけないね。


ただ、興味のないことに関心がないだけ。


ひなの指を口元まで持っていき、赤い血を余すことなく舐める。


時折、舌を出して舐めたり、甘噛みしたりすると、ひなは頬を染めびくりと肩を震わせる。


その姿に、欲情して、体の奥が熱くなった。


ひなの血は、赤くて綺麗。そして、とても甘い。甘い甘い毒の華。
俺の飢えと渇きを満たせるのは、可愛い可愛いひなだけ。


俺達の…、俺の可愛いひなを傷つけたお返しをしなきゃ。


「ひな……、ちょっと忘れ物をしたから教室にとりに戻る。ここで待ってて……」


ひなの柔らかい髪を撫でて、向かう。

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