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少年は荊(イバラ)に捕らわれて
13
騒がしいの空間の中、食欲がわくはずでもなく、食事する場所を変えようと席を立った。

僕を見つめる視線に気づかずに、騒ぎの中、食堂を出ようとしたところで、入れ違いに入ってきた相手にぶつかった。相手の方は体格がよかったせいか、僕の方はバランスを崩した。しかし、咄嗟に伸ばされた腕によって、転ぶことはなかった。


「……ありがとうございます」


軽く会釈しお礼を言った後,顔を上げた先にいたのは、どこかの王子様のような容姿を持つ、響がいた。
透き通るような蒼色の瞳で真っ直ぐに僕を見つめていた。


「陽向……」


「……すみません」


切ない声が耳に届いたけど、僕は響の表情をそれ以上みることができず、軽く会釈し、足早にその場を後にした。途中、学園内にあるコンビニでサンドイッチと飲み物を買って中庭に向かっていると、僕を呼ぶ声が聞こえ足をとめた。

振り返ると、この前、管理棟へ向かう途中にあった二人の生徒が立っていた。


「こんな所で一人で何してるの〜?」


「その様子じゃ飽きられたか、捨てられたみたいだね。いい気味、今まで生徒会の皆様に慣れ慣れしてたけど、」


「そんな…、慣れ慣れしくなんて……」


「あ〜、もう、生意気なんだよ、お前」


冷たい瞳、歪んだ表情を浮かべていた。


パンッ!!


頬に衝撃が走り、表情を歪めた。


「痛っ……」


「ははっ、生徒会の皆様をたぶらかしていた罰だよ。これからは、二度と近付かないことだね」


どうして、こんなことになったんだっけ……。



悪いことしたのなら、謝るから。誰か、教えてください。


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