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少年は荊(イバラ)に捕らわれて

生徒会の雑務を終え、温室のドアをゆっくりと開けた。足を踏み入れると、色とりどりの花が咲き乱れる中、ベンチにすやすやと眠る陽向の姿があった。

甘い香りの中で、穏やかに眠る陽向の姿に欲情し、一瞬眩暈を起こしそうになる。


陽向、君がお姫様なら僕は王子様。


音を立てないようにゆったりとした足取りで陽向の傍まで歩みより、頭元に静かに腰をかける。あどけないその寝顔に、思わず甘い笑みを浮かべた。

近くにある紅い薔薇を手に取り、すこし力を入れると、ぷつりと皮膚が切れ痛みを感じる。

血に滲んだ僕の指は何かに誘われるようにして陽向の唇に向かっていった。

ゆっくりと唇をなぞると鮮やかに紅く染まる。


僕だけのお姫様……。


ふっくらとした頬に両手をそえ、そっと甘い口づけを送った。


小さく甘噛みし、ゆっくりと唇を離すと、僕の大好きな色の目が現れた。


「ひ、び、き……?」


まだ頭が冷めていないのか、とろんとした目つきで僕の顔を見上げた。


その瞳に見つめられ、胸がうち震える。


ああ、やっぱりその瞳に僕を映してほしいな。


どうしようか……


そうだ。


陽向のための鳥籠を造ればいいんだ。


なんだ、簡単じゃないか。


そうすれば陽向は他の奴らを見ないし、見られない。


その為には、陽向が快適に過ごせるよう準備をしなければいけないね。どうせ、その為の財力は余りあるほどあるんだから。


楽しみだな―。


まずは、陽向に近づく奴らを一人ずつ排除していこう。


さて、誰から排除していこうか……


陽向に必要なのは、僕達だけ。


未来を馳せ、自然と頬が緩むのがわかった。



―転校生君、僕と陽向の仲を邪魔したら……だめだよ




コメント(という名の呟き)
・ついに、副会長まで来ましたぁ!!!陽向を閉じ込めるための籠を造るのは、響になりますね。
 はたして、どんな鳥籠になるのやら……。
・今回、ちょろっと出てきた転入生君。まだ、実際には登場しませんが、この彼がある意味キーポーントにもなる存在になるかもしれません。
・そして、今度は、最後…会長視点ですよ!
・ちなみにご感想あれば、くださると嬉しいです★
そうすると、管理人泣いて喜びます(笑)待ってます!


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