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少年は荊(イバラ)に捕らわれて
鎖と檻と、そして僕…(前編)
どうしてこんなことに……

何度も…、何度となく繰り返し自分に問いかけた


答えは限りなく深い闇の底


いや……、答えなんてものがあったのだろうか?


最初から答えなんてものは存在しなかったのかもしれない


ただ……、今言える確かなことはたった一つ


―僕は、ここから出られない





「ん……、こ…こ…は…?」


目を覚ますと見知らぬ部屋の天井が視界に入り、ぼんやりとした頭の中で小さく呟いた。

ゆっくりと見渡した視界に映るのは、僕の部屋よりも広い十畳ほどの広さでベッド以外何もない。時間を確認しようにも、時計すらなかった。

外の様子を確かめるために、起きようとして足を動かすとジャラッ…と聞きなれない金属音が僕の耳に嫌に大きく響いた。

額にジワリと冷たい汗がにじみ、嫌な予感が外れてほしいと願いながら、視線を足元に向けると、僕の右足首には枷がしてあった。そこから伸びる鎖は、ベッドの脚に繋がれていた。無機物な物体を目にして、僕の顔から色が失われていく。


どうして、僕の足にこんなものが!!


頑丈な鎖を目の前にして、無駄だと分かっても必死に鎖を引っ張った。一心不乱に力の限り引っ張っても、案の定、鎖はビクともせず、音だけが虚しく部屋に響いた。

鎖を握る僕の手がジワリと熱を持ち痛くなってきた時、部屋の入り口から聞こえたドアが開く音と聞き慣れた複数の声に僕は顔色を失い、体を強張らせた。

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