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世界で一番きみが好き

「あのね、由姉…?なんで、瑠璃じゃなくて、僕がモデルするのかな……。瑠璃がすれば問題ないと思うよ……」


「だめよ、瑠璃は今度のポスターのコンセプトには合わないわ!ふわっとした、天使のようなイメージの子が良いのよ!まあ、瑠璃は、顔が可愛いのは認めるけど、内心は小悪魔だからだめ。その点、瑠衣ちゃんは、外見も内面もイメージばっちりだから!今回のポスターにぴったりなのよ!ねっ、瑠衣ちゃんお願い!!」


黙り込んだ僕に、じれたのか、由姉は最後の一押しとばかり両手を合わせ潤んだ目を僕に向けてきた。


なかなか返事しない僕にじれたのか、由姉は


「ん―、もう!しかたない!瑠衣ちゃん、これ欲しくないかしら?もし、瑠衣ちゃんがモデルやってくれるなら、あげちゃうけど」


由姉の手にあるのは、僕が大好きな作家さんの直筆入りサイン本!!


ああっ……欲しいな……

欲しい……


「わ、わかった…、由姉、僕モデルやるよ」


誘惑に勝てず、気付けば自然とコクンと頷いていた。
がっくりと肩を落とし、顔を上げてみれば、にんまりと満面の笑みで両手を上げる由姉がいた。



そうして、結果的に明日僕はお姉ちゃんと撮影に行くことに決まった……。



―そこで、僕は海斗と初めての、最悪な出会いをすることになるなんて、この時の僕には思いもしなかった……

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