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世界で一番きみが好き

食事が終わり、春の穏やかな風が吹き、澄み渡る空の下、二人だけしかいない屋上で、貴之とゆったりとした時間を過ごしていた。


いつものように食後に貴之はコンクリートの上に横になり僕の膝に頭を乗せると、顔だけを瑠衣に向け、柔らかく微笑む。


「瑠衣……、今日の放課後、この前に瑠衣が行きたいって言ってたクレープ屋に行こうか」


そうだった。


確か、この前雑誌を見ていたとき、甘酸っぱいって評判のクレープを食べたいなって貴之の前で言ってた気がする。


でも、今日は……。


「ごめん……、今日は……」


ほんの少し、俯きながら僕は、躊躇いがちに喋った。。


「俺との約束の他に、何かあるの?誰かとどこかに行くの……?」


瞳に強い光が灯り、鋭い視線で歪んだ笑みを浮かべる貴之に対して、体を震わせてしまう。


理由は分からないけど、貴之は僕が他の人と関わりを持つことを極端に嫌っている。



貴之以外の人と遊びに行くことや軽い挨拶など少しの関わりでさえも……。

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