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世界で一番きみが好き

驚いたことで、瞼を閉じることもできず、目を見開く僕の視界には海斗の秀麗な顔が目の前に広がる。突然の事に、どう反応していいかわからず体が固まる。


長く続く口づけに、眉間にしわを寄せる僕は息苦しさを覚え、海斗の胸を叩く。


海斗は頬に手を添えたままゆっくりと唇を離すと、息をあげる僕を見て、にやりと笑った。


「キスすんの初めてだろ?」


「つ……」


図星といってもいい言葉に僕の頬が朱に染まる。


確かに、ファーストキスです……。


でも、言葉に出せるわけないよ…。


僕の野暮ったい外見と性格を考えれば、彼女ができるはずもなく、ましてやキスなんて夢のまた夢。きっと、貴之や目の前の海斗のような美形さんにとったらキスなんて何ともないのかも知れないけど。


いくら、今女装していて外見上は女の子とはいえ、まさか男とキスすることになるなんて思いもよらなかった……。


ファーストキスは、好きな女の子と決めていたのに……。


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