世界で一番きみが好き 日常 4限目の終わりを知らせるチャイムが鳴り、お昼休みを迎えた。 教室の中が賑やかにざわつくが、僕は窓側の一番後ろの席に座り、外をぼんやりと見つめていた。 誰も僕の存在を気にとめない。 僕―立花瑠衣にとって、それはいつもと変わらない日常のことだった。 でも楽しそうに話をしながら、友達同士でお弁当を広げる姿を見て羨ましく、寂しいとも思ってしまう…… でも…… 仕方ないんだ…… 僕の外見……黒縁メガネ、野暮ったい前髪に加えて人見知りが激しい性格を考えれば、クラスの中で浮いた存在になるのも頷けるだろう。 でも、そんな僕にも、たった一人の……唯一の友達がいるんだよ……。 「―瑠衣、お昼食べよう…」 ふいに後ろから聞こえた声にゆっくりと振り向くと、僕の幼なじみである西門貴之が片手にお弁当を持ち、穏やかな頬笑みを浮かべて立っていた。 [次へ#] [戻る] |