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世界で一番きみが好き

女性の悪意から少しでも自分自身を守るかのように目をぎゅっと閉じ、両手で耳を塞でいると、


「大丈夫だ……」


耳元に聞こえた低い声と温かく逞しい胸に抱きすくめられた。


優しい温もり徐々に心が安らいでいき、思わず服の裾をぎゅっと握る。


しばらくすると、男性は女性を睨みつけ冷たい口調で、言い放つ。


「うっせ―。消えるのは、お前の方だよ。」


「えっ?何いってるの……?海斗……」


「さっきから黙って聞いていれば、好き勝手なことを言ってんじゃねえか…。今回のモデル降ろされたのだって、ただ単に、てめえの実力がないだけだろ。それをこいつのせいにすんな。てめえ、目ざわりなんだよ!」


「―!!! もう!何なのよ!」と女性は顔を真っ赤にすると、捨て台詞を残して、その場を走り去った。


緊張が抜けていき、ほっと息を吐いた。


動悸も少しずつ治まっていく。


「あの、すみませ……」


目の前の人物を確認するため顔をあげると、端正な顔が目の前にあった。


「え…………?」


女性の迫力に押されて、自分自身混乱していたことや、身長の差から、男性の顔をまともに見ることができず、僕は気付かなかった。




目の前に立っていたのは、あのバンド「Heaven」のボーカル



神宮寺海斗だったということに……。

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あきゅろす。
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