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堕ちた先には

あれからどうやって帰ったか、あまり覚えてない。

目が覚めたときは、自身のベッドの上で、見慣れた光景があった。

ベッドから起き上がり空を見ると、まるで僕の心情を表しているかのように、今にも雨が降りそうなどんよりとした空模様だった。

ふと時計を見ると、針は朝の7時を指していた。

できることなら、透と顔を合わせたくなかった……。


あの笑顔は眩しくて……


今の僕には痛い……


朝、透が迎えに来る前に家を出よう……

透と会うのを避けるために僕はいつもより早い時間に家を出ると、歩き慣れた道を淡々とした足取りで歩いた。

もう少しで学校に着こうとする頃、


「渚―――!!!」


毎朝、聞き慣れたいつもより大きめの声に名前を呼ばれビクッと体を震わせゆっくりと振り向けば、息を切らした透の姿があった。


「はぁ、はぁ……、お前の家まで迎えに行ったら、おばさんが渚はもう学校に行ったって言うから、ここまで走ってきちまったぜ」


「………ごめん」


顔を俯け、ぽつりと呟いた。
透は何か言いたげな視線を僕に向けた。
しかし、それ以上口を開かない僕に何も言うことはなく、残り少ない道のりをお互い言葉を交わすことなく並んで学校へと向かった。


「おはよう」


一言声をかけ教室に入るといつもと変わりない光景。
煉が相変わらず女子達に囲まれていた。ただいつもと違うのは、軽くざわめいていたことだった。

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あきゅろす。
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