堕ちた先には
3
「可愛い、可愛い俺の渚」
深く舌を絡めながら何度も口付けをかわした。
逃げようとしても舌を絡めとられ、そのたびにピチャピチャと水音が部屋に響き、淫靡な音を奏でた。
渚は、逃げなきゃと考える反面初めて与えられる快楽に抗えず、もっととせがむ自分が怖かった。
恍惚とした表情を浮かべた煉は今や渚にとって恐怖の対象でしかなかった。
何度となく唇を交わし、唾液が唇の端からこぼれ落ちると、煉はすかさず舌ですくい取り、再び口内に戻した。
「な〜ぎ、ちゃんと飲まなきゃだめだよ」
煉は、満面の笑みを浮かべると、渚にまるで、駄々っ子に対するような口調で言った。
煉は僕の唇をむさぼりながら、ゆったりとした動作で床に押し倒す。
「渚…、俺に渚の綺麗な身体を見せて」
渚は起き上がろうとしたが、力に叶わず、ゆったりとした動作でシャツを剥ぎ取られた。
煉は渚の胸にある赤い果実を口に含んだ。時折、片方の手で摘んだりしながら、唾液をたっぷりと絡め舌で舐めまわした。
時折、人差し指や中指の腹で交互にいじくり回した。
そのたび、ジワリと渚に言い知れない快感をもたらし、小さく体が震えた。
「やっ、…あっ…ん」
声を我慢しようと両手で口に手を当てるが、さらりとした動作で煉に退かされる。
「可愛い、可愛い渚…。我慢しないで…もっと俺のために淫靡な音を奏でてよ」
「い、いやだ…」
僕は身をよじり逃れようとするが、煉に腕を掴まれ引き戻され強く抱き締められた。
「逃がさないよ。渚は俺だけの者なのだから。それにしても、渚は温かいなぁ―、赤ちゃんみたいだよね…ふふっ」
煉は顔色を失くしてカタカタと震える渚の頬に手を添えると
「大丈夫。俺達は、双子。同じ子宮の海の中に漂っていたんだ。元は一つだったんだよ。離れ離れになった者が元に戻るだけだから。怖がらなくていいんだよ」
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