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堕ちた先には

1週間後、授業が終わり渚は煉に連れられて、学校から10分ほど歩いた所にある煉のマンションに来ていた。


エントランスに入ると一目みてわかるほど高級感が漂っていた。


緊張気味にエレベーターに乗ると、最上階で止まった。


こんな高いところに一人暮らししてるんだ…。


「お邪魔します…」


煉に促されソファーに座っていると、数分ほどでトレーに紅茶を乗せて持ってきた。


「あ、ありがとう」


紅茶を飲んで、ほっと一息ついた。


ゆっくりと部屋を見渡し、


「煉はすごいね。こんな高いマンションに住んで、格好よくて。煉はもてるし。本当すごいね…」


「前にも言ったけど…俺の欲しい子は、一人だけだよ…。そいつしか、愛せない。」


煉の瞳が暗い光をおび、抑揚の無い声で、喋った。


「好きな人いるんだよね…。煉に思われている女の子は幸せだね」


「あはははは、ほんと渚は残酷だよね」


「煉……?」


額に手を当て、高らかに笑う煉を見て、困惑と例えようのない恐怖を感じた。
何故か、急に体の力が抜け、カップを手から落とすと、隣にいた煉の胸の中に崩れ落ちる。


こぼれた紅茶が、高級そうなカーペットに染みをつくる。


煉は、崩れ落ちた渚の様子に驚くことなく真っ直ぐに見つめた後、緩やかに微笑むと、優しい手つきで渚の頬をなでた。


「薬が効いてきたみたいだね。少し体を麻痺させる薬を飲み物の中に入れたんだ。渚を傷つけたくないからね。ああ、そうだ、副作用はないから安心して」


「ど……して…?」


「どうしてだって?さすがに俺の我慢もそろそろ限界になってきたしね。ねえ、渚……、俺の彼女になって……」


「えっ……?」


突然の言葉に意味がすぐに理解できず、頭が真っ白になった。


「愛してるよ。渚…」


呆然とする渚に構うことなく、顎を上げられ、煉の顔が徐々に近いてくる。



渚の唇は温かく柔らかいもので覆われていた

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