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堕ちた先には

昼ごはんにする為、僕達は教室を出て、人混みの廊下を通り抜け、階段を上がり、屋上へと向かった。


扉を開けると、光が射し込み、思わず目を細め手のひらを顔にかざした。


穏やかな風が吹き、気持ち良い。


奥のフェンスに寄りかかって、渚を真ん中に挟んで3人並んで座った。


「お腹空いたぁ。ご飯食べよ」


渚はお弁当を広げた。


今日のメニューは、自分で焼いた玉子焼きと昨日の残り物のおかずであるハンバーグだ。


お母さんは働いているから、食事当番はほとんど渚の担当だ。
パンでもいいかなって思うときもあるけど、僕の身長伸ばす計画には栄養も必要だからね。


いただきますと両手を合わせて玉子焼きを口に含んだとき、横でパンッと袋を破る音が聞こえた。


モグモグと口を動かしながら視線を横に向けると、煉は惣菜パンを食べていた。


「煉…、もしかしてそれだけ?」


煉の手に持っている他には見当たらない。
それにしても、それだけで、身長があるなんて、羨ましい。

……じゃなくて、栄養が偏るよ。


「ああ。渚は自分で作ってるの?おいしそうだね」


「じゃあ、僕の玉子焼きあげる」


玉子焼きを箸でつまみ、口を開けた煉の中にいれた。


「ずるい」と横で透の不満げな声が聞こえたけど、無視して少し緊張して聞く。


「味はどうかな…?」


「おいしいよ。渚はいいお嫁さんになるね」


優しい笑みを浮かべ僕の頭を撫でながら言った。


「玉子焼きで大げさだよ。しかも、僕男だよ。お嫁さんなんて変だよ」


クスクスと笑った。


それからお腹がいっぱいになったのか眠りに入った透を横に、渚と煉は離れていた間のそれぞれの生活や趣味などを語り合い、穏やかな時間を過ごす。


そのなか、一つの間を置いて、ぽつりと煉は口を開いた。



「渚は……、好きな人いるの?」


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あきゅろす。
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