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大海賊の夢をみる?
私の過去とバギー海賊団



『さっきちょっとだけ話したと思うけど、まずは、私が長い間生きていたという証拠から見せるわ』

懐から一つの手配書をだす。


「すっげー、ぼろぼろだな。
黄ばみもすごいな」

私から手配書を受け取ったゾロはまじまじとそれをみる。


日付も50年以上前、顔も今とほとんど変わらない。


『これが唯一の証拠かな。

今も出回っているのかは全くわからないわ。
手配書がだされ、それから何十年もずっと人目につかないように生活していたから』



「賞金すっげぇぇ!100億ベリーって!とんでもねぇー奴だったんだなぁ!」

嬉しそうに答えるのはルフィだった。


「お前能力者か?」

ゾロに質問され、答える。


『いいえ。

悪魔の実ではなく生まれながらにして持っていた能力ならある』


ゾロの刀を借り腕を切って見せる。



「「なんだ!?」」


「・・・傷が、治っちまった」


ルフィはすげぇぇ!と喜んでいるが、ゾロはひどく驚いていた。


『おとぎ話みたいでしょ。

私は人との時間の流れが違うのよ。

ある意味不死身ではあるかもね。
病気やケガで死ねない体なのよ。



能力は生と死の二つを操れる』


恩人である青年を何度も生き返らせたこと。

海王類や植物、命あるものなら奪える。ということ2人に話した。


あの時のことを思い出すだけで心が苦しくなる。

自分勝手な行動で恩人を苦しめた事。


でもルフィならきっと受け入れてくれるかも。
そう信じて話を続ける。


「ナマエは人の命を奪ったのか?」


ルフィに問われ
『っ!!私そんなことできない!
怖くて出来ない、だから・・・』


「だからそいつの死をきっかけに人と関わらないようにしてたんだろ?」
ゾロに言われ、頷いた。



『私は何者でなんのために存在しているのか知りたい。
だからこうして海へ出て旅をしてるの。


あの時は隠れていても噂を聞きつけては追われる日々だった。

いろんな人から狙われていた。


少し自由を味わってみたくなった。

だから海賊になった。
ルフィに着いていくと決めた。

ゾロも言ってたけど、簡単にやられたりなんてしたら絶対許さないからね』



「俺はやられねぇよ!任せとけ!」

笑いながら頭を撫でてくるルフィに対し胸が熱くなった。






しばらくして「あーぁ、腹へったな」とゾロは言いながら船の縁に寄りかかった。


ふと空を見上げると大きな鳥が飛んでいた。



「食おう、あの鳥!」
そう言ったルフィを見れば、捕まえる気満々。



ここは海、しかも小舟だからキッチンなんてない。

『(生で食べる気!?)』


やめてとルフィに手を伸ばしかけるが既に遅し。

ルフィは腕を伸ばし、マストに掴まり勢いよく鳥の元へ飛んでいった。


空からルフィの悲鳴が聞こえ、戻ってくる様子はない。


「アホォ、なにやってんだてめぇはっ!」

怒りを露にしながら、船を全力でこぎ始めるゾロ。


振り落とされないようにと、しっかり船にしがみついた。


「おーい、止まってくれ!
そこの船!止まれ!」


海へ落されたのか、手を振ってこちらに助けを求めていた。


『遭難者みたいだよ』


「こんなときにかよ。
船は止めねぇ、勝手に乗り込め!」


遭難者だった3人はノンストップの船にホントに乗り込んだ。


『よく乗り込めたねぇ。』



なんて言えば「「「引き殺す気か!!」」」と声を揃えツッコまれた。


「おい、船を止めろ。

俺たちはあの道化のバギー様の一味だぞ。
この船は頂いた。」



刀を突きだし脅しをかけて来たが、ゾロは3人を睨み付け、タコ殴り。


「あははは、あなたがあの有名な海賊狩りのゾロさんだとは露知らず「「失礼しました!」」


ゾロには敵わないと察知した3人はゾロの言いなりになった。

3人に漕がせ私たちはゆったりとする。



「てめぇらのおかげで仲間を見失っちまった。
とにかく真っ直ぐ漕げ」


「「「へい!!」」」


『ルフィなら大丈夫でしょ』


「そうだな」


こそこそと3人は話始め、道化のバギーの名がまたでた。


『さっきから言ってる道化のバギーって?』


「旦那ら、道化のバギーを知らないんで?」


「知らねぇなぁ」

ゾロに同意するように首を縦にふる。


「俺たちの海賊船の頭ですよ。
悪魔の実シリーズのある実を食った男でねぇ。
とにかく恐ろしい人なんです」




島が見え、上陸した私たち。


突然大きな音が響く。
『爆発?』


「バギー様十八番のバギー玉ですわ」


「バギー玉?」
ゾロは聞き返した。


『とりあえず、そこに行ってみましょう』









3人に案内された場所ではルフィは檻の中に。

例のバギー玉の入った大砲はルフィに向けられ、導火線を握る女の人がいた。



状況は分からないものの、彼女がルフィを助けようとしてくれているのは見て分かった。


彼女に襲い掛かろうとしている海賊の間に入り込み、ゾロと2人で押さえつける。



「おいおい。
女一人におめぇら何人掛かりだ?」



「ナマエ!ゾロ!」
私たちを見たルフィは大きい声で名前を呼んだ。


ゾロはオレンジ髪の女の人の方を見て
「ケガは?」と聞く。


「え?」


「ケガはしてねぇのか?」


「え、あ、えぇ、平気」
助かったことに驚いたのか少し、どもっていた。


「いやー、よかった!
よくここがわかったなぁ!
はやくここから出してくれー」


「お前なぁ、なに遊んでるんだ?
鳥に連れてかれたと思えば、今度は檻の中か」


「これはこれで面白いぞ」


ゾロがルフィに近づこうとしたとき
「貴様がゾロか。
なんの用だ。俺の首でも取りに来たのか?」3人が言っていたバギーはゾロに話しを掛ける。


「いや興味ねぇな。
俺は止めたんだ、海賊狩りは」


「俺は興味あるねぇ。
てめぇを殺せば名が上がる」


「やめとけ、死ぬぜ」


「ふー、そうかい?」


「口で言ってもわかんねぇか」


バギーコールがなる中、ゾロはバギーを切りつけた。



なんだか胸騒ぎがする。

船長がやられたはずなのに、バギーのクルーは皆笑っていた。



ゾロの背後にバギーが立っていた。


私は急いでゾロの背後に回りナイフが刺さらないよう受け止めた。



「「ナマエ!!」」
ルフィの声とゾロの声が重なった。



「なによ、あの手!?」
女の人は分裂していた手が襲ってきたのを見て叫ぶ。



「バラバラの実。
それがおれが食った悪魔の実の名だ。
俺は切っても切れないバラバラ人間なのさ!!ハハハハハ!!

よく俺の攻撃を受け止めたな、女!」


持っていたナイフで腕を切られ、バギーから手を離してしまった。


「体がくっついた!
悪魔の実なんてただの噂だと思ってた」


「バラバラ人間ってあいつ化けもんか?」
ルフィあなたも同じじゃないと思ったが言わないでおこう。


「ほほぉ、女いい動きだ。
名前はなんていうんだ?」


『あなたに名乗る名前なんてない』


「威勢のいい女、おれは好きだぜ。
なあ、こんなちんけな海賊団止めて俺たちの海賊団に入れよ」


視線は私に集まる。
私の答えはただ一つ。

『ルフィの海賊団を抜けるつもりはない。

彼は海賊王になる男なんだから』


そうでしょ?とルフィに目を向ければ「良く言った!」と満面の笑みを浮かべていた。



「ナマエを引き抜こうだなんて、俺がさせねぇよ。デカっ鼻!!」

ルフィは怒った顔でバギーを挑発する。


「だ・れ・が、デカっ鼻だぁぁあー!」

怒ったバギーはナイフを握っていた手をルフィに飛ばした。


「バギー!!
お前はおれが必ずぶっ飛ばすからな!にしし」

だが、ルフィは歯でナイフを食い止め、顎の力だけでナイフを砕いてしまった。


ルフィの言葉にバギー一味は笑う。

「ぶっ飛ばすだぁ?しまいにゃ歌うぞ。

てめぇら3人殺してこの女はもらっていく、あはははは」


あまりにもしつこいバギーに私はバギー玉の入った大砲に向かう。


『ゾロ!バギーの足止めして!』


「はぁ?」
いきなり言われ理由が分からなかったのだろう。
だが、私の考えを読み取りバギーとやりあう。


その間に私はバギー砲をバギー一味に向け、導火線に火をつける。


『ゾロ避けて!』と声を掛ける。

バギー達が慌ててる間にルフィが入った檻を運ぶ。


短い導火線はあっという間にバギーたちに向かって発射した。




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