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季節シリーズ



「ありがとう・・さようなら」

そんな言葉が聞こえたような気がして上を見上げるとベランダに真妃の姿が見えた。

「見送りはいいって言ったのに。まぁいいか」

深く考えもせずすぐ前を向き歩みを進める。

それがあいつを見る最後になるとも知らずに・・。



10日の出張と4日の旅行。

後半の旅行は合コンで知り合った女と行った。その女には同棲相手がいることを伝えたが諦める様子が無くかなりしつこく連絡をしてきた。

そのしつこさに面倒くさくなり、1度食事に行ってからはズルズルと関係を続けた。

何年かぶりに抱いた女の身体。

丁度その頃、大きなプロジェクトを抱えていて真妃のように慣らさなくても自然と濡れる女の身体が楽だった。


2週間ぶりに帰った部屋はいつもと違う空気を漂わせていた。

「ただいま」

声をかけながらリビングに向かう。籠ったような空気に違和感を感じつつ自分の部屋へと向かい荷物を置く。

“真妃はまだなのか”

そう思いながら洗濯物を洗面所へと持っていきそのままシャワーを浴び、終わるとビールでも飲もうとキッチンに向かう。

その時、食卓の上に何か置いてあるのに気付く。

「何だ?」

近寄ると手紙らしきものと書類らしきものだった。




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