[携帯モード] [URL送信]

long(ファンタジー)
5.  ・   


「疲れるというか、まだ少し混乱している部分もあります」

「ならばこの話は次の機会にしよう。他に聞きたい事は?」

レオンハルトの言葉に佳斗は頷き、続いて聞いた。

「魔法陣という言葉があったようですが、こちらでは魔法が使えるんですか?」

「そうだ。これもケイトの世界とは違うようだな」

佳斗の表情を見て苦笑いを浮かべながらレオンハルトは続ける。

「シンダイルでは誰でも魔法は使える。日常のちょっとしたこと、例えば火を熾したり明かりを灯したりなどは魔法で事足りる。
 ただ、魔法にも強弱があり強い魔法には当然、大きな魔力がいる。その魔力は代々、王の直系子孫が1番強い。
 まぁ、現在、例外が1人いるけどな」

そう言ってチラッと投げた視線の先にはジョエルがいた。そのジョエルは佳斗が来た時から無表情だったのが嘘のようにユーリが
入ってきてからはニコニコしてというか表情が緩んでいる。

「例えば連絡手段とかにも使えるんですか?」

佳斗の言葉にレオンハルトは少し驚いたような表情を見せた。

「何故そう思う?」

「先ほど、ジョエルさんでしたっけ?彼が指輪に向かって何かを言うと彼・・ユーリさん?がすぐに入ってきてお茶の準備を
 して下さったでしょ?はじめは無線機か何かかなっと思いましたが今のお話を聞いて魔法なのかと」

「ケイト殿は観察力が優れているようですね」

「そうですね。ご自分の世界に無い物でも受け入れられる、度量の広い方でもあられる」

マリオンとアロイスが嬉しそうに話しているのを聞き、佳斗は慌てて首を振った。

「いえ、たまたま僕の知り合いにこういう世界に興味のある人がいて、その人にいろいろ聞かされていたので抵抗が少ないのかも
 しれません」

“男同士の恋愛話も聞かされてたからそれもあまり抵抗ないけどね”
佳斗は心の中でそう呟きながら、自分が目の前で消えた事に長兄と共に心配しているであろう次兄の婚約者の顔を思い浮かべた。




[*前へ][次へ#]

6/48ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!