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long(ファンタジー)
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「ほう・・・・」

レオンは面白そうに佳斗の方を見る。

「僕達が初めて護身術を習った先生はたしかに腕は良かったのですが・・・・何というか態度が尊大で・・・・
 僕達だけの時はそれでもいいのですが公の場でも自分は僕達の師だというのを前面に出し、他の方々にもその態度のまま接するので父が怒ってしまって」

「あ〜、たまにいるよね〜勘違いしている人」

マリオンの言葉に佳斗は彼に向かって苦笑いを浮かべ頷く。

「うん。何度か他の人からも注意されてたんだけど反対に“教えてやってるのに何が悪い”ってキレちゃって。まぁ、結局、3か月もしないうちに辞めさせられたけど。
 だけどダグラム将軍はきちんと弟子であるレオン様も国王として敬っているじゃない?
 本来ならどういった人間か判らない僕にまできちんと応対して下さったし」

「アロイスから色々、聞いていたみたいだな。実際にケイトに会ってみて自分が守るに相当する相手だと思ってくれたのだろう。それにケイトは私の花嫁だからな。
 立場的にはダグラムよりも上になる。それにせっかく褒めてくれているがダグラムも気が許せる人達の前では私に対しても平気で怒鳴ったりするぞ?」

「そうかもしれませんが・・・・僕は本当に良い方達に巡り合えたんだなと思いました」

そう言いながら佳斗はふいに、こちらに来た時に思った“この世界の情報を仕入れる”ということをすっかり忘れていた自分に気がついた。

“僕としたことが・・・・・”

そう思いかけて指輪を通してレオンと会話が出来ることを思い出し、慌てて思考を止めた。

が、昨夜、ベッドに入る前にユーリから聞いた“指輪は互いに意思を持って話しかけようとしない限り相手には自分の思っている事は伝わらない”という言葉も
思いだし内心、ホッとする。

そんな佳斗の心中を知ってか知らずかレオンはニコリと笑った顔を佳斗に向けた。

「ケイト・・・・・嬉しいことを言ってくれる」

そう言って自分に手を伸ばし抱きしめようとしてきたレオンをさりげなく避けるとマリオンとアンネから笑い声が起き、レオンは苦笑いを浮かべる。

「申し訳ありません。僕の国では人前ではそのようなことはしないので・・・・」

“する人もいるけどこちらの世界の人達には判らないだろうからいいよね”と心の中で言い訳をしながら頭を下げるとすぐ近くでレオンの声がした。

「気にすることは無い、世界が違えば習慣も違う事は多いだろうから」

≪人前ではしないように気をつける・・・・が、出来れば抱きしめるくらいはしたいぞ≫

再び頭の中にレオンの声が響き佳斗が彼の方を見るとまた悪戯っぽい顔をしている。

佳斗は気づかれないように軽く溜息をつくとその声は無視をすることにした。

「失礼いたします。陛下、そろそろお時間です」

そんな佳斗にレオンが声をかけようとした時、エリアナと共に戻ってきたユーリがレオンに時間を知らせる。

その言葉にあからさまに残念そうな態度をみせるレオンをエリアナは驚いた様子で見ていた。

「もうそんな時間か。ケイト、良ければ夕食も一緒にとりたいが?」

「判りました。お待ちしています」





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