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long(ファンタジー)
19. ・   


佳斗はレオンハルトとジョエルの会話の意味が判らず、マリオンに視線を送ると彼はクスクス笑いながら教えた。

「アロイスもジョエルと同じように無表情なんだけど、彼の左眉が上がっている時はかなり機嫌が悪い時で上がりっぱなしの時は
 キレる寸前ってかんじかな」

『ユーリ、悪いが後でアロイスの機嫌をとってくれ』

「承知いたしました」

『ケイト、お前の事が少しでも知ることができて良かった。明日の朝食は共にとろう』

「はい、お待ちしています。あの・・・お仕事、頑張ってくださいね」

『あぁ、ありがとう。ではまた明朝に・・・』

今度はわずかに“プツッ”と切るような音が聞こえ、レオンハルトの声が聞こえなくなり佳斗は“ハァ〜”と深い息を吐いた。

「ケイト、どうしたの?疲れた?」

自分を気遣うマリオンに笑いかけながら首を横に振る。

「疲れたというより緊張した。僕、国王様に失礼な事とか言ってなかった?」

「大丈夫だよ。兄様も直接、ケイトと話せて嬉しそうだったし最後はちゃっかり、朝食の約束まで取り付けてたでしょ。
 あぁそうだ、僕も朝食を一緒にとらせてもらってもいい?」

「うん。国王様と2人だと緊張しちゃうから助かる」

佳斗が笑顔で了承するとマリオンも笑顔で頷く。そこへジョエルが呆れたような様子を滲ませながら言った。

「マリオン様・・・・レオン様に怒られても知りませんよ?」

「まぁね。その時はケイトに宥めてもらうよ。それにケイトも緊張するって言ってるんだし・・・
 それに明日はマティウスとエリアナにも会ってもらわないといけないからその話もしたいからね」

「アンネ様にも会っていただかないと」

マリオンとユーリの言葉に佳斗は怪訝な顔をする。

「マリオン、明日は会う人が増えるの?」

「うん。ユーリの言う“アンネ様”はジョエルの母のアンネマリー様。さっき、チラッと話した僕達の叔母上ね。マティウスは国軍副将軍で
 兄様とジョエルの幼馴染みたいなものでエリアナはユーリと共にケイトに仕える侍女だよ」

「アンネ様もマティウス様もとてもお優しい方ですし、エリアナは非常に優秀ですからご安心ください」

「マティウスはからかい甲斐のある人物ですから退屈はしないと思います」

ボソッと呟くように言ったジョエルの言葉にユーリが再び、“何ていう事を言うんですか!”と詰め寄るのを宥めていると
ふいにマリオンが言った。

「朝食で思い出したけど、そろそろ夕食の時間じゃない?」

その言葉にハッとしたようにユーリが慌てて佳斗に聞いてくる。




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