long(ファンタジー)
16. ・
マリオンの言葉にジョエルも続ける。
「そうですね、私も気になります。宜しければ教えて下さいますか?」
「急にどうしたの?」
「さっき、兄様の髪と瞳の色の変化を聞いたよね。確かに元に戻したのは状況的にまだケイトの事を出来るだけ知られたくないことと
関係あるけど、その事と自分のことを繋げて考えるなんて普通、思いつかないなっと思って」
佳斗がジョエルとユーリに視線を向けるとマリオンの言葉に同意するように頷いていた。
「そうかな?」
「そうです。こちらでの生活に活かせるでしょうから私も教えていただきたいです。」
ユーリにまで言われてしまい佳斗は苦笑いを浮かべた。
「別に隠すようなことは何も無いからいいけど、面白い事は何も無いよ?」
「ケイトがいた世界を知れることがすでに面白い事だよ。あともし、良ければ兄様にも聞こえるようにしてあげてくれる?
さっきも拗ねてたしこれ以上、僕達が先に聞くとまた機嫌が悪くなっちゃうと思うんだ」
「あぁ、たしかに・・・・ケイト様、お願いできますか?」
「えっ?でも今は謁見中ですよね?」
「かまわないよ」
「そうです。どうせ愚にもならないことを言いにきているだけですから。それに父もいますのでご遠慮なく」
マリオンとジョエルの2人に言われ、佳斗は“本当に邪魔じゃないのかな?”と思いながらも指輪にキスをすると途端に
レオンハルトの声が頭の中に響いてくる。
“ケイト?”
「国王様、これから向こうの世界での僕のことを少し、お話しすることになりました。お邪魔だと思うのですが・・・・」
“大丈夫だ。それに今の私にはケイトより優先することは無い”
きっぱりと言われまた、苦笑いが浮かぶ。
「ありがとうございます」
「ちゃんと繋がったようですね。ケイト様、レオン様にご自分の声が我々に聞こえるように意識しながら、指輪に魔力を流すように伝えて下さい」
「はい。国王様、ご自分の声をマリオン達にも聞こえるように意識しながら指輪に魔力を流すようにと・・・」
“ジョエルの指示か?”
「はい」
“チッ、余計な事を・・・”
「でも、国王様の声が皆に聞こえたら話もスムーズに進むと思いますが」
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