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long(ファンタジー)
15. ・   


「ケイトがこちらにくる為の魔法陣も彼が編んだんだけど、魔法陣にしろ指輪にしろ、かなりの魔力を消耗するんだ。普通の人が同レベルの魔法を
 使うと数日は寝込むくらい。まぁ、同レベルの魔法を使える人はそんなにいないけど」

「レオン様は魔力の量だけなら私を遥かに凌ぐ量をお持ちなのですが、とにかく魔力を使うセンスが無い・・・・」

「ジョエルさん!!陛下に向かってなんて事を言うんですか!」

「ぐっ!?」

ユーリが怒った顔をしてジョエルの口を塞ぎ、マリオンは笑い声をたてた。

「まぁまぁ、ユーリ。ジョエルの言う事は本当だから仕方ないよ。本人も認めてるんだし」

「認めてるんだ」

こちらも笑いを含んだ声で佳斗が問うとマリオンは頷く。

「兄様の魔力の量は我が国だけじゃなく現在のシンダイルの中で1番だよ。結構、何でも器用にこなすんだけど魔術となると何故か駄目で・・・・」

「そうなんだ。あっ、じゃあ髪と瞳の色が他の人と違ったのもそのせい?銀髪と碧の瞳をされてたよね?」

「兄様も元は僕達と同じような色合いだったんだ」

マリオンがそう言ってジョエルを見やると彼は頷いて口を開く。

「レオン様の髪の色はケイト様が来られたと同時に変化したんです」

「?」

「花嫁召喚の儀式を行い、無事、花嫁が召喚されたら王の身体の色が変化する、と伝承されています。レオン様の場合、髪と瞳の色が
 変化されました。今は私の魔術で元に戻し、レオン様の魔力でそれを維持しています」

「元の色に戻したのは僕がこの部屋に通されたことと繋がっていますか?」

佳斗の言葉にジョエルは感心したような声を漏らし、佳斗の問いに答えないまま更に問いかけた。

「お聞きしたいのですが、ケイト様は何も言わずこの王妃の間に入られましたが抵抗はなかったのですか?
 ケイト様の世界では同性婚は浸透していないんですよね?そんな世界から来られたら、シンダイルにはかなり抵抗が
 おありではないかと思ったのですが」

「もちろん、ありました。僕は男ですし“王妃”というのはやはり女性がなるものという認識がありますから。
 でも騒いだところで変わらなそうでしたし、移動距離が短いという事は人目につかせたくないのかなっと。

 マリオンが着替えを持ってきてくれた時もそうです。普通なら一国の王子が自ら着替えなどは持ってこないでしょ?
 なのにわざわざ持ってきてくれたという事は僕の存在をまだ知らせたくないんじゃないかと思ったので。
 まぁ、その理由は判りませんけど」
 
「ケイト様・・・・やっぱり凄い洞察力ですね。僕はそんな方に仕えることが出来て嬉しいです!!」

ユーリが興奮して話すが当の佳斗は何でもない事のように「別に凄くないよ〜」と笑っている。そんな2人をじっと見ていた
マリオンが問いかけた。

「ねぇ、ケイト。ケイトの世界ではどんな暮らしをしていたの?差し支えなければ教えて欲しいんだけど」





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