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long(ファンタジー)
14. ・   


「違うんだ、ユーリ。ケイト様が部屋を出られてからのレオン様の様子があまりにも酷いものだったから・・・」

「それでもです。ケイト様の事を考えて下さい」

今までと違いどこかツンとした様子でジョエルに接するユーリに佳斗は不思議に思い呟いた。

「何だかユーリの態度が違う・・・」

「あの2人は夫婦なんだ」

「え!?」

そんな呟きにマリオンは何でもない事のようにサラッと答え、佳斗はまた驚く。

「ジョエルがユーリを好きで好きで、嫌がってるのを押しまくって、普段は歯牙にもかけない家柄まで持ち出して彼が成人を
 迎えると同時に結婚したんだ」

「じゃあ、無理やり?」

「違います」

ジョエルが否定の言葉と共に会話に加わってくる。いまだ、ユーリはツンとした様子は崩していなかったが。

「私とユーリはちゃんと愛し合って結婚したんです」

「良かった・・・」

ホッとしたように呟く佳斗にユーリはジョエルに掴まれていた手を振り払って側に行った。

「申し訳ありません、ケイト様。お心を煩わらせてしまいました」

「ううん、無理やりじゃないならいいんだ。あの・・・ジョエルさんの家柄って?」

「アロイスは我が国の宰相で代々、重要な職に就いているいわゆる名家なんだ。で、僕達の叔母上がアロイスに嫁いで生まれたのがジョエル」

軽くジョエルを睨んでいるユーリを笑顔で宥めながらマリオンが答えた。

「じゃあ、従兄弟ってこと?」

「そう。指輪で意思の疎通をさせるのを考えたのもジョエルなんだけど、その理由がいつでもユーリと繋がっていたいっていう
 欲望のままに作った物なんだから」

「じゃあ、国王様が“例外もいる”って言われていたのは・・・」

「うん、ジョエルの事。本来、魔力は王の直系が1番、強いんだけど、叔母上も魔力が強いしそれを継いだんだろうね」

“欲望のままって心外です”とぶつぶつ言っているジョエルを横目に見ながらマリオンは続ける。





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