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long(ファンタジー)
11. ・   


「判りました・・判った。努力しま・・努力する」

言い直しながらだが佳斗の口調が変わったことにマリオンは満足そうに頷き、ふと思いついたように聞いてきた。

「そういえばケイトは自分の方が年下だって言ってたけどそうなの?」

「はい。僕は17歳ですから」

「17歳!?同じ年ぐらいかと思ってた・・・・こんな言い方、失礼かもしれないけど落ち着いてるよね」

「そうですか?兄達には“お前は末っ子らしい末っ子だ”とか言われてましたけど」

「お兄様がいるんだ。っていうかケイト、頑張って僕にはくだけた口調で話してね」

「あ〜、はい・・うん。なかなか難しいな・・兄達には普通に話せてたんですけど」

「まぁ、兄弟は生まれた時から一緒だし。僕も兄様と2人の時は普通に話すしね」
「で、ケイトのお兄様ってどんな方?」

さすがに表情には出さないものの、その目に“興味駸々”という感情を浮かばせマリオンが聞いてくる。

「そうですね・・兄は2人いて上の兄が国王様と同じ歳で下の兄はジョエルさんと1つ違いみたい」

「あぁ、ユーリから聞いたんだ?」

「うん。それで何だか親近感が湧くねって話してる時にマリオンが来てくれたんだ」

「そうなんだ。ねぇ、ケイトってお兄様達と似てるの?」

「う〜ん・・2人は父親似で僕は母親似って言われてて。まぁ、弟の僕から見ても美形の部類に入ると思う。
 でも、国王様の方がカッコいいけど。マリオンとユーリは可愛い系だし。さっきの部屋にいた人達も美形だよね。
 この国は美形しかいないの?」

「いや、そんな事は無いけど・・って僕は可愛い系なの?カッコ良くはない?」

「可愛い系だと思う」

佳斗の質問に答えつつ自分への評価に納得がいかない様子で聞いてくるマリオンに佳斗がはっきりと答えると彼はガックリと項垂れた。

「そう・・ユーリは可愛いがピッタリくるけど僕はカッコいいと言われたい・・」

そんなマリオンに佳斗は苦笑いを浮かべながら言った。

「・・・・僕は兄達みたいには、なれないなって早々に諦めたよ」

「ケイトは美人さんだからそれでいいかも知れないけど、僕は出来れば兄様みたいになりたい」

「・・・・」

“美人”といわれ佳斗は何ともいえない顔になり、ユーリはそんな2人の会話を聞きながら肩を震わせて笑いを堪えていた。

「あっ」

ユーリが小さく声をあげ立ち上がり部屋の隅に行くと指輪に向かって囁くように話しだす。

「ケイト様、陛下がお見えになりたいとのことですが・・」

「兄様が?どうしたんだろう・・」

佳斗が問いかけるような顔でマリオンを見る。

「食事まではケイトがシンダイルでの生活に慣れるようにアロイス達と環境を整えるって言ってたからここには来ないと
 思ってたんだ。何かあったのかな?」
 
首を傾げながら言うマリオンの言葉に佳斗も戸惑った表情を見せたが

「ユーリ、来ていただいて」

と招き入れるようユーリに言い、彼が指輪に囁き扉の所に立つと同時にノックの音がした。

「ケイト、休んでいるのにすまない」

そう言いながら入ってきたレオンハルトの髪と瞳の色が先ほどとは違う事に佳斗は気づいた。

「あれ?国王様、さっきと髪と瞳の色が違いませんか?」




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