ガールシリーズ
4


 エレベーターが動き出したのはそれから間もなくのことだった。目的の最上階に着いたエレベーターの中で、アリスは頭を下げた。

「本日はまことにご迷惑をおかけいたしました」

 その姿はベストだけを身にまとっていた。

 男――ダークの手により乱された胸は膨らみ、ボタンが引きちぎられたままのベストから男のつけた赤い所有の印を処々に散らばせていた。

 しどけなく開かれた内股からは、ダークのものともアリスのものとも判別のつかない白濁色の液体が滴り落ちていた。

「構わん。お陰でいい思いをしたからな」

「…はい…ありがとう…ございます…」

 余りの激しさに腰が立たなくなってしまっていたアリスは、壁に縋るようにして立っていた。

 そのアリスの脇を擦り抜けて、男は満足そうに頷いてエレベーターを降りた。

「また…ご利用…ください…」

 震える声で言うアリスに男は頷く。

「明日も乗るとしよう。この32号エレベーターにな」

 笑いをもらす男に、アリスは笑い返すことができなかった。

 早々に扉を閉めると、エレベーターの中で足元に崩れるようにしゃがみこんだ。

 股間を伝う男の精液が、床に水たまりのように広がっていった。

 この姿のまま下の階へ降りることはできないと、その時になって初めて気づいた。

 アリスは慌ててもう一度扉を開けた。

 あの男――ダークに縋るしか思いつかなかった。









「ああ、俺だ」

 部屋に戻った男は電話機を上げ、フロントに電話をした。

「今日のサービスは満点だったぜ。アリスと言ったか。ああ、腰が立たなくなるまで可愛がってやった。ここのホテルはいつも上物ばかりだ。ああ、今回は特に満足しているよ。明日は朝から乗るようにしておいてくれ。32号エレベーターにな」

 言って男は笑った。

 その時、部屋のチャイムが鳴った。







    END






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あきゅろす。
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