銀の森の魔物たち
T-2


 狭い湯船に浸かって、バートンはフィオーラの身体を見やる。柔らかな肢体は既に熟して見えるが、たった一カ所だけ足りていなかった。

 身体を奇麗に洗い終えてフィオーラは立ち上がる。

 春に生まれたばかりの幼子は、冬を迎える前に成熟する。フィオーラはバートンの番の相手として十分育っていた。

 豊かな胸、細くくびれた腰、柔らかな臀部――何もかも完璧だったが、ただひとつ、恥部を隠す陰りがなく、子どものまま、つるんとしていた。バートンは思わず心の中でため息をついた。そのバートンにフィオーラは無邪気に声をかける。

「今度はあたしが入るから、父さんは出て」

 この家にフィオーラを連れて来たばかりの頃は、まだ二人で湯船に浸かっていたが、すっかり成長したフィオーラは、もう父と湯船に入ろうとしなかった。バートンがそのフィオーラの腕を掴む。

「おいで。一緒に浸かろう。私ももう少し浸かっていたい」

「えーっ」

 言いながらもフィオーラは湯船に入ってきた。溢れる湯を気にしながら、フィオーラはバートンの膝の上にしゃがみ込む。狭くて、バートン一人が座るのが精一杯の風呂桶の中にフィオーラが入る時は、いつもバートンの膝の上に向かい合って座り込むのだった。

 フィオーラの広げた股間が、バートンの膝に当たる。

「やっぱり狭い」

 文句を言いながらバートンを見て、フィオーラは少し視線を落とす。湯の為か、頬が赤らんで見えて可愛らしい。そのフィオーラの背に腕を回し、ぐいっと引き寄せる。

「あ…っ」

 腰がずれて、フィオーラの股間の中心がバートンの男根に触れた。途端、フィオーラは立ち上がる。

「あ、あたし、もう出るね」

「待ちなさい」

 その腕を掴んで引き戻す。

「まだ温もっていないだろう? 百を数えてからだ」

「そんなー」

 フィオーラはプクリと頬を膨らませる。しかし聞いてくれそうもないバートンに諦めて、腰を降ろして数を数え始める。

 フィオーラは、もぞもぞとそこに触れてくるバートンの物が気になって仕方がなかった。触れているうちに父の物が少し大きくなったように思えて、フィオーラは彼から顔を逸らしたまま、数を数え続けた。

 いつの間にか百を越えて千を数える頃には、湯が冷たくなっていた。








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あきゅろす。
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