夜の街 蝶の舞
V-3


「…ああっ…あ…あうんっ…」

 アリスはロープを外されて自由になった手足を、ダークに絡み付かせた。

「どうだ? どうだっ!」

 ダークは流れる汗を拭うこともせず、アリスを突き上げ続けた。それに合わせてアリスも腰を振る。ダークの思う通りに、ダークの動きに合わせて。

「ダークさん…っ…ああん…やんっ…ダーク…さん…あっふんっ…」

 ダークの腕の中で、豊かな胸を上下に揺らせながら舞い踊るアリス。目尻に涙さえ浮かべて、男の紡ぎ出す快楽に酔いしれながら、嬌声を上げる。

 その姿は、闇に浮かぶ金色の蝶のようにあでやかで、可憐だった。

 触れると、その金粉の麻薬に幻覚すら見せられるのではないかと思われるくらいに、毒々しいまでの輝きすら放って。

「もっと…もっとぉ…ああっ…あはあんっ」

 もう、ダークに逃れる術はなかった。

 ぐいぐいと、アリスの中心はダークのものを吸い込んでいく。おかげでダークが限界に達する迄にはさほどの時間は要しなかった。

 荒い息を吐いて、ダークはアリスの腰から大腿へと手を移動させる。アリスはダークにされるまま、腰を折り曲げ、股間を更に広げてみせた。

 ゆっくりとした律動を更に加えてから、ダークは息を吸い込む。アリスも同じように呼吸を合わせた。

 そして、次の瞬間――。

 ドズンッ!

 ダークがアリスの最奥を根限りに突き刺すのと、アリスが腰を振り上げるのとが同時だった。

 その瞬間の衝撃に、アリスは達して、大きくのけ反り、下半身に力を入れた。

 きつく、アリスがダークを締め付けた。

 熱い固まりが、ダークの先端から吐き出されるのが分かった。

 それは射貫かれるまま最奥の入り口から更に奥へと放たれていくのを、アリスはうっとりしながら感じていた。

 昔、初めて経験した時、極上の気分を味わった。その時と変わらない――否、それ以上の満足をダークに覚えた。

 まだきつく締め付けるアリスの肉の感触を感じながら、ダーク金色の羽ごと、その肢体を抱き締めた。

「やっぱお前が一番だ…」

 虚ろに見上げてくるアリスに、ニヤリと笑って見せる。

「もう、酔いは十分冷めてんだろ?」

 言ってアリスの頬を撫でる。アリスはびっくりした。ばれていたのか。

「ウブな顔して、お前は昔から男好きだったからな」

「え…?」

 アリスはまたびっくりして目を見開く。

「俺の顔を忘れたか? 顔は忘れても、コレは覚えてんだろ?」

 言ってダークはアリスの中の己のモノを蠢かせる。

「でも…こんなにスゴイのは…まさか…そんな…」

 アリスはじっとダークを見つめる。

「お兄…ちゃん…?」

 ニヤリと笑うダーク。

「そうだ。お前の初めての男だ。思い出したか?」

 うなずくより先に、アリスはダークにしがみついた。

「ばかばかばかっ」

「アリス?」

「迎えに来てくれるって言うから待ってたのに。遅いよ、ばかっ」

 見上げてくる目は涙に濡れていて、その頬を流れる滴をダークは拭ってやる。

「こんな迎えは嫌だったか?」

 優しく言うダークに、アリスは頬を膨らませながら。

「サイコー」

 言って、また下半身が熱くなってくるのを感じていた。








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あきゅろす。
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