美少女と野獣
T-7


 眼を覚ました時、アリスは森の入り口に倒れていた。びしょ濡れだった筈の服はすっかり乾いて、まるで昨夜のことは夢であったかのように、普段のままだった。

 不思議に思いながら、アリスはゆっくり立ち上がろうとした。途端、腰が砕けた。

「え…っ?」

 その拍子に股間から溢れ出てくるもの――ショーツを濡らして、零れ落ち、内股を伝い落ちるものがあった。

 アリスはスカートの裾から手を忍ばせ、ショーツの中へ指先を入れた。そこに、指先に絡まるものが何かを知る。

「夢…じゃない…」

 まだ余韻が感じられた。はっきりと。野獣のものをそこに差し込まれ、どれ程に気持ち良く感じられたかを。そして、彼をどれ程満足させたのかを。

 アリスは、指に付着した野獣のものとも自分のものとも区別のつかない排出物を指で嘗め取り、あの激しくも甘い時間を思い出した。

「また、会えるかな…」

 森の奥へ虚ろに眼を向けて、あの白い黒い瞳を思った。

 胸がギュッと苦しくなった。

「また、会いたい…」

 知らずに呟いて、更に胸の苦しみを覚えた。

 とろとろと、股間から流れ出る汁は、アリスの頬を伝うものと同じだけ流された。






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あきゅろす。
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