美少女と野獣
V-3


「お前はココがイイんだったよな?」

 アリスの耳元で囁く。その声を聞きながら、蠢き出した野獣の肉に身震いしてみせる。

「…して…私をメチャクチャにして…」

 アリスは野獣の動きに合わせるように自らも腰を振る。

 その細い髪に獣毛で覆われた指を絡ませながら、野獣はアリスの頭を撫でるように鋤く。

「ああ、お前が望むままに…俺の可愛いアリス」

 言って野獣はしがみついてくるアリスの手を解いて身を起こす。そして、アリスの大腿を持って抱え上げ、アリスの腰をくの字に折り曲げると、押し広げられたアリスの股間の上に、自らの腰でのしかかる。

「悲鳴、上げても、止めらないからな」

 ギラギラと欲望たぎる目をアリスに向けて、野獣はそう言うなり全身で腰を動かし始めた。

「あ…ああんっ」

 今までにない激しい突き上げだった。

「ああんっ、ああんっ、ああんっ」

 アリスの身体は野獣の動きに合わせて激しく上下した。その度に上がる嬌声。うねる肉体。

「いいか? いいか?」

 息付く野獣。アリスはその声に瞳を上げて野獣を見る。

「もっと…あぁんっ…もっと…はうっんっ…してぇ」

 甘くねだるアリスに、野獣の動きは更に激しくなっていく。

「こう、か?」

「…あは…はあん…っ」

 アリスも野獣の動きに合わせて自らも腰を動かし始める。全身を使い、突き上げられるタイミングに合わせて、自らも突き上げる。

 ひとつに重なる、二人の動き。

 そして。

 ふと、野獣の動きが止まる。アリスは野獣に両腕を伸ばす。

「きて…」

 つぶやくように言うと、アリスは野獣を銜え込んでいた股間に力をこめて、締め付けた。途端、ぐつぐつと、アリスの中へ野獣の精が放たれた。

 熱いその固まりに、アリスはうっとりしながら、倒れ込んでくる男の身体を抱きとめた。

 熱い呼吸が重なり合う。

 抱き合う二人。互いを抱きしめ合って、互いの温もりを感じ合う。

「アリス…」

 野獣がアリスを呼ぶ。

 顔を向けると、野獣の唇が降ってきた。応えてアリスは野獣を受け入れる。

 つい先程野獣の肉棒を嘗めた舌を、今度は野獣の舌に絡み付かせる。

 アリスは野獣の息を貪るように、深く口づけていった。アリス以上に深く濃く求めてくる野獣に、頭の芯が溶けていくような気がした。

 アリスは野獣の腕の中で、今まで感じたことのない思いが胸の奥に生まれてくるのを感じた。

 熱く、狂おしい思い。それでいて、ひどく切ない。

 それは野獣に触れた部分の肌から身体の中へ染み込み、アリスの胸の一番深い所に降り積もって、どんどん大きくなっていくようだった。それが何なのか突き止める間もなく、むくりと野獣が身体を起こした。

 野獣の荒い息がアリスの頬にかかる。

「も一回、いいか?」

 見つめてくる燃えるような漆黒の瞳に、アリスはうっとりと魅入られたように頷いた。

 アリスの、野獣との愛の営みは始まったばかりだった。






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あきゅろす。
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