美少女と野獣
V-1
「お願い、開けて。中へ入れて」
たどり着いた古い屋敷の扉を力任せに叩いた。しばらくして開かれる扉。
「また来たのか…」
深いフードを被って、野獣が呟くように言う。その野獣を押しのけて屋敷の中へ入ると、アリスは透かさず錠を下ろした。
そして、大きく息をつく。
「今日は嵐で迷った訳じゃなさそうだな」
野獣は、白いドレス姿のアリスを上から下までじろじろ見やる。アリスはその野獣の正面にひざまずいた。そして何も言わず、野獣のズボンのジッパーを引き下ろした。
「…」
野獣は動じた様子もなく、アリスを見下ろす。アリスは野獣のズボンの中から覗く獣の毛をかき分け、中から目的のものを取り出した。それをアリスはためらうことなく口にほお張る。
指先でそっと挟み、舌と唇とでゆっくり嘗め上げていく。
「俺が欲しいか?」
問うてくる野獣を、アリスは上目使いに見る。その間も動きを止めることなく、一心にしゃぶりついていた。野獣は口元を緩ませる。
「だったら十分にご奉仕してもらおうか」
言ってアリスの口から己のものを抜き取った。
「あ…」
名残惜しそうにするアリスの腕を掴んで立ち上がらせる。アリスは野獣にされるままに従う。
「来い。俺とお前なら十分に愛し合えるからな」
漆黒に光る野獣の目を見つめる少女の瞳は、同じ色を宿していた。果てしない欲望と快楽だけを望む野生の獣の色に他ならなかった。
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