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進撃
エレリ

それはきっと、触っても崩れはしない。

それはきっと、俺に泣いて助けを求めたりはしない。

それはきっと、女のようにはやわらかくはない。

それはきっと、甘くはない。

愛してると伝えたくて、拒まれるのが怖くて
、恵まれたくて、優しくされたくて。

それでも貴方に恋をした。


貴方が好きだとは言えないけれど、せめて、貴方のそばに。


願えば願うほど虚しくなるのは、愛してるからですか。

答えをくれとは言わないから、言わないから。






「貴方なんて、嫌いですよ」

好きだなんて、言わないから。

この手で破って崩して壊して乱して。


殺して。

「兵長」

貴方を殺したら、この恋は終わりますか?

「兵長」

貴方を殺したら、この気持ちは救われますか?


「兵長」


「なに泣いてんだ、クソガキ」



拭われた涙の味は、兵長しか知らない。



「兵長、嫌いです」

「クソガキ」


締めようとのばした腕は、兵長に掴まれて動かない。

力で勝とうだなんて、知っていた。



だけどのばした。


のばしたんだ。








「…やっぱ、愛しています」


筋肉質の身体は、思ったより甘かった。







(クソガキ)

(兵長、好きです)

(うるせぇ)

END



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